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統計・公式・標本分布と極限定理
度数分布表は、個々の観測値を捨てて「どの階級に何人いたか」だけを残した要約です。そこから平均や中央値を出すには、階級の中の値をどう扱うかの約束が要ります。約束は2つあり、階級の値をすべて階級値(上限と下限の中間)とみなすか、階級の中に一様に散らばっているとみなして補間するかです。どちらの約束で計算するかで答えが変わるので、設問の指定を最初に読みます。
観測値を階級ごとの度数に要約した度数分布表から、平均・最頻値(モード)・四分位点・四分位偏差・中央値・累積相対度数を求める手続き。個々の観測値が失われているので、各階級の値を階級値(上限と下限の中間)で代表させるか、階級の中で一様に分布すると仮定して補間するかの約束を置いて計算する。確率分布の中央値や分位点そのものの定義(理論分布の )と、標本から母数を推定する手順は扱わない。
【度数分布表の列】 階級 の下限を 、上限を 、幅を
10年で1回・2023年度に5設問5.0点
2023年度の問題2(1)で、1つの度数分布表から平均・最頻値・四分位偏差・累積相対度数・中央値の5つを1.0点ずつ答えさせた。ほかの年度には出ていない。
2つの約束が同じ大問で使い分けられた
平均・最頻値・四分位偏差は「各階級の代表値を使って」計算し、中央値だけは「各階級の中で一様に分布する」と仮定して線形補間で求める形だった。公式の解答は四分位偏差を代表値どうしの差から出している。
統計の大問の冒頭に置かれた
同じ大問の後続は母比率の推定、検定、適合度検定、回帰と続く。記述統計量はその入口として、推定や検定の前に置かれている。
ある駅の利用者 人の通勤時間(分)を 分刻みにまとめると、 が 人、 が
ある度数分布表で、各階級の階級値と累積相対度数が次のとおりだった:階級値 ()、()、()、()、()。各階級の代表値を使って計算するとき、四分位偏差はどれか。
人の度数分布表で、 の階級の度数が 、それより下の階級の度数の合計が だった。各階級の中で観測値が一様に分布すると仮定するとき、中央値はどれか。
度数分布表から求める統計量について、正しいものはどれか。
【約束1:階級値で代表させる】 すべての観測値がそれぞれの階級値に集まっているとみなします。 ・平均は です。 ・最頻値(モード)は度数が最大の階級の階級値です。度数そのものではありません。 ・第1四分位点 は、累積相対度数が初めて を超える階級の階級値です。第3四分位点 は初めて を超える階級の階級値です。 ・四分位偏差は です。四分位範囲 と取り違えないようにします。 ・分散も同じ約束で と計算できます。
【約束2:階級の中で一様に分布すると仮定して補間する】 累積の割合が階級の中で直線的に増えるとみなします。累積相対度数が初めて を超える階級を とすると、 分位点は です。中央値は として になります。括弧の中は「その階級に入ってから、あと何人ぶん進めば真ん中に届くか」で、それを階級の度数で割って幅 を掛けると、下限からの距離になります。
【どちらの約束かは設問が決める】 「各階級の代表値を使って」とあれば約束1、「各階級の中で観測値が一様に分布すると仮定して」とあれば約束2です。同じ度数分布表でも、四分位点を約束1で出すか約束2で出すかで値が違います。1つの大問の中で両方が使い分けられることもあるので、小問ごとに指定を読みます。
階級値で代表させると、平均は 分、最頻値は度数 の階級の階級値で 分です。 は累積相対度数が初めて を超える の階級値 、 は初めて を超える の階級値 なので、四分位偏差は 分です。
一様分布を仮定した中央値は、累積相対度数が初めて を超える の中にあり、 分です。同じ仮定で四分位点も補間すると 、 で、四分位偏差は 分になり、階級値で代表させた 分とは一致しません。