混合戦略ナッシュ均衡
知識マップ経済(ミクロ)・用語
ひとことで言うと
じゃんけんのように純粋戦略(確定した戦略)では均衡がないゲームがある。そこで各戦略を確率的に混合することで均衡を達成するのが混合戦略。均衡では「相手がどの純粋戦略を選んでも、こちらの期待利得は同じ」という条件で各確率が決まる。
マッチング・ペニーの利得行列。純粋戦略ナッシュ均衡が存在しない(どのセルでも一方が逸脱したい)。混合戦略均衡ではAもBも各戦略を確率1/2で選ぶ。
数式で表すと
均衡条件: 混合時、相手が全ての戦略で等しい期待利得を得る確率を選ぶ
各プレイヤーが複数の純粋戦略を確率的に混合する均衡。純粋戦略NEが存在しないゲームでも混合戦略NEは必ず存在(ナッシュの定理)。均衡確率は相手の期待利得を無差別にするよう設定。
試験に出る性質
純粋戦略と混合戦略の違い
純粋戦略:「必ず○○を選ぶ」という確定的戦略。混合戦略:「○○を確率pで選ぶ」という確率的戦略。純粋戦略はp=0またはp=1の特殊ケース。
混合戦略均衡の直感
混合均衡では、自分の混合比率を「相手が無差別になるよう」設定する(逆説的に聞こえるが重要)。相手が読みづらくなるような確率で混合する。じゃんけんを1/3ずつ出すのが最善なのと同じ原理。
社会的ジレンマとシグナリング
混合戦略は確率的行動の均衡理論的正当化として有用。また「強い型」と「弱い型」を持つプレイヤーが情報の非対称のもとでシグナルを送る状況(ベイジアン均衡・完全ベイジアン均衡)への拡張もある。
例で見る
マッチング・ペニーの混合均衡: Aが確率p(表)で選ぶとき、Bの表の期待利得:p×(−1)+(1−p)×(+1)=1−2p Bの裏の期待利得:p×(+1)+(1−p)×(−1)=2p−1 Bが無差別になる条件:1−2p=2p−1→p=1/2 均衡:A・Bともに確率1/2で表・裏を選ぶ 各プレイヤーの期待利得=0(ゼロサムゲーム)
つまずきポイント
- 「混合戦略均衡では自分の混合確率は『相手が無差別になるよう』設定する」。自分の利得を最大化するために混合するのではなく、相手の最善反応を無差別にするよう混合する。この「他者指向性」が直感に反してわかりにくい点。
- 「ナッシュの定理により有限ゲームでは混合戦略均衡が必ず存在する」。純粋戦略NEが存在しなくても混合戦略NEは保証されている。
定着クイズ
ナッシュの定理について正しいものはどれか。
混合戦略ナッシュ均衡での均衡確率の決まり方として正しいものはどれか。
マッチング・ペニーゲームで、プレイヤーBが確率q(表)で選ぶとき、プレイヤーAが無差別になる条件はどれか(表を選ぶ利得は+1/-1、裏を選ぶ利得は-1/+1)。
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