生存関数と死力とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass生保数理・公式・生命関数・生命表・定常人口
ひとことで言うと
生命表の生存者数 l_x を「なめらかな1本の曲線」とみなして、その減り方の勢いを測ったものが死力。死亡率が「1年でどれだけ減るか」なのに対し、死力は「今この瞬間どれだけの勢いで減っているか」を表す。勢い(死力)を足し合わせれば生存確率が出る——生保数理の計算はすべてこの往復でできている。
死力は、生存者数曲線の接線の傾きを、その時点の生存者数で割って符号を変えたもの(相対的な減少速度)。
数式で表すと
μx=−dxdloglx,tpx=exp(−∫0tμx+sds) 生存者数lx・生存確率tpxと死力μx
年齢xの生存者数をlxとし、これを年齢の連続関数とみなす。x歳の人がt年後も生存している確率は
tpx=lxlx+t
試験に出る性質
死力は生存者数の対数微分に負号を付けたもの
μx=−dxdloglx
例で見る
(1) 死力が一定の場合:μx+s=0.02(すべてのs)とすると
10px=exp(−0.02×10)=e−0.2=0.818731
つまずきポイント
- 死力μxと死亡率qxは別物。qx
定着クイズ
Q1死力がすべての年齢で μ=0.02 一定であるとき、10px に最も近いものはどれか。
Q2lx=1000(1−100x) であるとき、μ50 に最も近いものはどれか。
の関係。死力は瞬間死亡率で、生存確率は死力の積分の指数で表される。生命保険数理の最も基礎的な関数群。
で、その余事象がtqx=1−tpxである。
死力μxは、lxの相対的な減少速度として
μx=−lx1dxdlx=−dxdloglx
と定義される。これをxからx+tまで積分して指数に戻すと
tpx=exp(−∫0tμx+sds)
が得られる。死力から生存確率へは「積分して指数」、生存確率から死力へは「対数を微分して符号反転」——この往復が生命関数の全計算の入口である。
また、x歳の人がt年後の瞬間に死亡する確率密度は
tpxμx+t
であり、これを積分すれば死亡確率tqx=∫0tspxμx+sdsになる。この密度は平均余命(SEI009)・保険の一時払純保険料(SEI022)・連生の死亡順序確率(SEI047)のいずれでも同じ形で現れる。
。逆に
を死力から復元するときは
tpx=exp(−∫0tμx+sds) を使う。死力の関数形を与えて
の表現を導かせる出題が典型(2016年度問題2(1)は
μx=eax+b 型から
を導かせ、あわせて
e˚60 を求めさせる7.0点の問題)。
生存確率は死力の積分の指数で書ける
tpx=exp(−∫0tμx+sds)。死力が区間ごとに違う形で定義されていても、区間を分けて積分を足せばよい(2025年度問題1(2)はde Moivre型の死力から生存確率を求めさせる)。
死亡の確率密度は tpxμx+t である
「そこまで生き延びる確率」×「その瞬間の死力」。平均余命・純保険料・連生の順序確率のいずれもこの密度を積分して作る。積分の中身を組み立てるときは、必ずこの2つの因子に分けて考える。
死力は確率ではないので1を超えうる
μxは単位時間あたりの瞬間的な強度(ハザード)であり、0≤μx<∞。de Moivre型ではx→ωでμx→∞に発散する。一方tqxは確率なので必ず[0,1]に入る。
である。死力一定なら生存確率は年齢によらず経過年数だけで決まる。
(2) 生命表からの計算:lx=1000(1−100x)(de Moivre型・ω=100)とすると、l50=500、l60=400 なので
10p50=500400=0.8
である。死力は μ50=−l501dxdl50=50010=0.02 で、(1)の設定と50歳時点では一致するが、μx=100−x1 なので年齢とともに増えていく点が違う。
(3) 密度からの積分:同じ生命表で 5q50 を密度から求めると
∫05sp50μ50+sds=∫055050−s⋅50−s1ds=505=0.1
となり、1−l50l55=1−0.9=0.1 と一致する。
は1年間の確率(
)だが、
は瞬間の強度で1を超えることがある。
tpx=e−μtと書けるのは死力が一定のときだけ。年齢とともに変わる死力では必ず積分する。 μx=−dxdloglxの負号を落とすと死力が負になる。lxは減少関数であることを毎回確認する。 tqxを求めるとき、密度tpxμx+tのμの添字はx+t(積分変数を含む)。μxのまま積分の外に出さない。