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アクチュアリー試験の出題構成は2022年前後に変わった|過去問10年分を数えてわかったこと
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アクチュアリー試験の出題構成は2022年前後に変わった

アクチュアリー1次試験の出題構成を5科目・10年分、公式の配点表から数えました。数学は大問が3問から6問に増えましたが、5点の小問は12問から10問へ。問題1に固まっていた短い問題が、問題2・3に分かれています。

アクチュアリー1次試験の過去問を解いていると、古い年度と新しい年度で「感じが違う」と思うことがあります。気のせいではありません。

acpassでは1次試験の過去問10年分(2016〜2025年度)を、公式の解答例に載っている配点表とつき合わせながら小問1つずつ数えています。その集計から、大問の数と、短い問題がどこに置かれるかが2022年前後に変わっていることが見えました。

いちばん動いたのは数学です。大問が3問から6問に増えました。配点表の見出しだけを追うと「問題1が60点から20点に減った」ように見えますが、小問まで開いて数えると5点の問題はほとんど減っていません。問題1に固まっていたものが、問題2・問題3へ分かれただけです。

ただし、すべての科目が同じ方向に動いたわけではありません。年金数理はむしろ大問が減っています。

数え方について:1次試験は5科目です。「会計・経済・投資理論」は3つの分野を含みますが1科目として扱います。配点は各科目とも1年あたり100点です。

数学:5点の小問は12問から10問になっただけ

数学の配点表には、5点ちょうどの小問がずらりと並ぶ大問があります。2016年度なら問題1がそれで、5点×12問=60点。ここが「小問集合」と呼ばれてきた部分です。

年度大問数5点の小問はどこに5点の小問数その配点
20163問題11260
20173問題11260
20183問題11260
20193問題11260
20203問題11260
20214問題11260
20225問題1・21260
20235問題1・21155
20246問題1〜31155
20256問題1〜31050

ここが誤解されやすいところです。1問5点という単価は、10年間ずっと変わっていません。変わったのは、それが入っている大問の数です。2021年度までは問題1にまとめて12問。2022年度から問題1と問題2に6問ずつ分かれ、2024年度以降は問題1〜3に散っています。

合計で見ると60点から50点。10年で10点、小問の数にして2問減っただけです。「問題1の配点が60点から20点になった」という数え方だと、分かれただけのものを減ったと読んでしまいます。

では何が増えたのか。誘導つきの大問のほうです。2020年度は問題2・問題3の2本で40点でした。2025年度は問題4〜6の3本で50点あります。

ただし、1本あたりはむしろ軽くなっています。2020年度の大問は20点でしたが、2025年度は15点・17点・18点です。本数が増えて、1本の重さは下がった、という動き方をしています。

正直に言うと、私はここを最初は読み違えていました。問題1の配点だけを追いかけて「短い問題が3分の1に減った」と思い込んでいたのですが、配点表を小問まで開いて数え直したら、減っていたのは2問分だけでした。問題1という見出しに引きずられていたわけです。

生保数理とKKTでも大問は増えた

科目大問数(2016 → 2025)
数学3 3 3 3 3 4 5 5 6 6
生保数理3 3 3 3 3 3 4 4 4 4
損保数理3 4 4 4 4 3 3 3 3 3
年金数理4 4 4 4 4 4 3 3 3 3
会計・経済・投資理論14 14 14 14 15 15 17 17 17 17

生保数理は2022年度から大問が3問→4問になりました。KKTは3分野合わせて14問→17問ですが、増やしたのは経済(2022年度に3→4問)と投資理論(2020年度と2022年度に6→8問)で、会計は10年間ずっと5問のままです。

生保数理でも、数学と同じ読み違えが起きます。問題1は2018年度に40点から24点へ下がりましたが、同じ年に問題2が42点から56点へ増えています。問題1だけを見て「短い問題が減った」と読むと外します。

ただし、方向は科目ごとに違う

科目をまたいで一般化するのも危険です。「2022年に試験が難しくなった」とまとめたくなりますが、動いた方向は科目ごとに違います。

年金数理にいたっては逆です。

年度大問数
20164
20174
20184
20194
20204
20214
20223
20233
20243
20253

年金数理は2022年度に大問を4問から3問へ減らしています。大問を増やした数学・生保数理・KKTとちょうど反対です。

損保数理も、2017年度に3問→4問へ増えたあと2021年度に3問へ戻り、以後は横ばいです。会計にいたっては10年間まったく動いていません。

つまり、科目ごとに別々の判断で構成が調整されていると考えるのが自然です。ひとつの科目で見た傾向を、そのまま他の科目に当てはめないほうがよさそうです。

では、過去問は何年分やるべきか

「過去問は何年分やればいいか」はよく聞かれる質問です。ここまでの数字を踏まえると、年数だけで決めるのは少し雑だとわかります。

数学でいえば、2021年度以前の問題は大問3本という前提で作られています。個々の問題の質が落ちるわけではまったくありません。論点を身につける教材としては、10年分どころか20年分でも価値があります。

一方で、時間配分の練習としては、構成が違う年度の過去問は本番の予行になりません。2020年度の問題を3時間で解く練習を積んでも、大問6本を回す配分は身につきません。

そこで、目的を分けて考えるのが実際的です。

目的何をやるか
論点を身につける年度は気にせず広く。古い年度も十分に使える
時間配分・解く順番を決める構成が今と同じ年度に絞る(数学なら2024〜2025年度)

数学の場合、現行構成(大問6本)の過去問は2024年度と2025年度の2年分しかありません。時間配分の練習素材としては明らかに足りません。

これを埋める手段としては、模擬試験が考えられます。acpassでも現行の出題構成に合わせた模試を準備中です。数学は6大問、KKTは17問という、いまの本試験と同じ構成で組んでいます。過去問だけでは2年分しか取れない「現行構成での通し練習」を増やすことがねらいです。

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この記事で使った集計のもとになっているデータです。
5科目の出題構成の推移と、数学の単元別の出題頻度を確認できます。

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まとめ

  • ✓数学は大問が3問→6問に増えた
  • ✓ただし5点の小問は12問60点→10問50点。1問5点の単価は10年変わっていない
  • ✓「問題1が60点→20点」は減ったのではなく、問題1〜3に分かれただけ
  • ✓生保数理とKKTも大問が増えたが、年金数理は逆に減った。方向は科目ごとに違う
  • ✓論点を身につけるなら古い年度も十分使える。時間配分の練習は構成が今と同じ年度に絞る