ストック・オプション
知識マップ会計・用語
ひとことで言うと
ストック・オプション(SO)は「将来、一定価格で株を買える権利」を従業員への報酬として付与する制度。付与日に評価した公正評価額を権利確定期間にわたって按分し、毎期「株式報酬費用」として費用計上(対応科目は純資産の新株予約権)。
SO費用の按分イメージ。付与日に算定した公正評価額を権利確定期間(例:3年)で按分し毎期計上する。確定見込み数(退職率等を考慮)を掛け合わせた累計額から前期累計を引いた差額が当期費用。
数式で表すと
当期費用 = 公正評価額 × 確定見込み個数 × (当期末までの経過期間/権利確定期間) − 前期累計費用
従業員等への株式購入権(新株予約権)。付与日の公正評価額を権利確定日までの各期に按分して費用計上(株式報酬費用)。退職による権利喪失見込みを確定数見積もりに反映。
試験に出る性質
付与日評価の原則(事後修正なし)
公正評価額は「付与日」の価値で確定し、その後の株価変動によって変更しない(付与後再評価しない)。これにより費用の恣意的な変動を防ぐ。
権利確定条件と費用の修正
業績条件付き SO(EPS が目標値を超えた場合のみ確定)では、条件の達成見込みに応じて各期の確定見込み数を見直す。業績条件は各期末に再見積もりし、費用を調整する。
行使価格と時価の関係
SO の行使価格が付与日の株価より高い場合(アウト・オブ・ザ・マネー)はオプションの時間価値のみが費用。行使時に時価 > 行使価格なら従業員は利益を得る(会社には希薄化リスク)。
例で見る
付与日公正評価額:300 円/個、付与数:1,000 個、権利確定期間:3年 確定見込み数(失効率10%見込み):1,000 × 90% = 900 個 1年目費用 = 300 × 900 × 1/3 = 90,000 円 2年目費用 = 300 × 900 × 2/3 - 90,000 = 90,000 円 3年目費用 = 300 × 900 × 3/3 - 180,000 = 90,000 円
つまずきポイント
- 「公正評価額は付与日に確定し、以後変更しない」のが原則。株価が上昇しても下落しても費用計上額は変わらない(確定見込み数は毎期見直す)。
- SO 費用の対応科目は「新株予約権(純資産)」。現金の支出なし。行使されれば現金(払込額)と新株予約権が資本金等に振替される。失効すれば新株予約権が P/L 利益(戻入益)になる。
定着クイズ
ストック・オプションの費用計上額の計算に使う「公正評価額」について正しいものはどれか。
SO 費用の計上時の会計処理として正しいものはどれか。
付与時公正評価額 500 円/個、付与個数 600 個、権利確定期間 2 年、確定見込み率 80% のとき、1 年目の SO 費用はいくらか。
この用語を扱う問題(0)