マーシャルのk・貨幣数量説
知識マップ経済(マクロ)・公式
ひとことで言うと
貨幣数量説は「貨幣が多くなれば物価が上がる」という考え方。MV=PYというフィッシャーの交換方程式や、M=kPYというマーシャルのk形式で表される。流通速度Vが一定なら貨幣量Mの変化は物価Pに1対1で反映される。
数式で表すと
(k: マーシャルのk, P: 物価水準, Y: 実質GDP)
ケンブリッジ方程式:M=kPY。kはマーシャルのk(=1/流通速度V)。Vが一定ならMの増加→物価上昇。物価変化率π≈ΔM/M−ΔY/Y(フィッシャー方程式に類似)。
試験に出る性質
貨幣の中立性
長期的にはMが増えてもY(実質GDP)は変わらず物価Pだけが上昇するという命題(貨幣の中立性)。短期的にはM増加が実質変数(Y、雇用)に影響しうるが、長期的には名目変数(P、名目賃金)のみ変化する(ケインズ派と古典派の論争の核心)。
フィッシャー方程式(名目利子率)
名目利子率 i = 実質利子率 r + 期待インフレ率 πᵉ(フィッシャー方程式)。インフレが高いほど名目利子率も高くなる(フィッシャー効果)。貨幣数量説から π = ΔM/M − ΔY/Y なので、貨幣成長率が高い国は名目金利も高い傾向。
マネタリズムとフリードマン
ミルトン・フリードマンは「インフレはいつでもどこでも貨幣的現象」と主張。Mの安定的な増加(Kパーセント・ルール)が最善の金融政策と主張(裁量的政策への批判)。中央銀行の物価安定目標(インフレ・ターゲティング)の理論的背景の一つ。
例で見る
マーシャルのk = 0.25、実質GDP(Y)= 400兆円、物価水準(P)= 1.0のとき 均衡マネーサプライ M = k × P × Y = 0.25 × 1.0 × 400 = 100兆円 もし M が 100 → 110兆円に増加(+10%)、Y は変わらないとすれば P は 1.0 → 1.1 に上昇(10%のインフレ)
つまずきポイント
- 「マーシャルのk = 1/V(流通速度の逆数)」。kが高い(大きい)=同じ所得に対して多くの貨幣を保有する(貨幣需要が高い)=Vが低い(貨幣が遅くしか回らない)。
- 「貨幣数量説はVとYが一定の場合の長期的関係」。短期では(ケインズ的に)V・Y変動が大きいため、短期のMとPの関係は必ずしも比例しない。試験では「長期均衡での物価決定」として使われる。
定着クイズ
フィッシャーの交換方程式 MV=PY において、Vと実質GDPYが一定のとき、マネーサプライMが10%増加するとどうなるか。
マーシャルのkの説明として正しいものはどれか。
貨幣成長率が5%、実質GDP成長率が2%のとき、貨幣数量説から予測されるインフレ率はいくらか。
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