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会計・用語・会計制度・ガバナンス
財務会計の土台には「3つの会計公準」(前提条件)があり、その上に「会計原則」(守るべきルール)が積み重なっている。公準は空気のような前提、原則は明文化されたルール。
3つの会計公準(企業実体・継続企業・貨幣的測定)と企業会計原則(真実性・正規の簿記・資本利益区別・保守主義・単一性等)。日本の企業会計原則は帰納的アプローチで作成。
3つの会計公準(前提・仮定): ① 企業実体の公準:個人と企業を別の経済主体として扱う。 ② 継続企業の公準(ゴーイング・コンサーン):企業は将来も継続して営業することを前提とする(清算価値でなく取得原価で資産評価)。 ③ 貨幣的測定の公準:貨幣(金額)で測定できるものだけを記録する。
企業会計原則の7原則: ① 真実性の原則:真実な報告を提供する(最上位)。 ② 正規の簿記の原則:正確な会計帳簿を作成する。 ③ 資本・利益区別の原則:資本(元手)と利益(稼ぎ)を混同しない。 ④ 明瞭性の原則:情報をわかりやすく開示する。 ⑤ 継続性の原則:会計方針を継続して適用する(変更は正当な理由が必要)。 ⑥ 保守主義の原則:不利な結果は早期に計上、有利な結果は慎重に計上(損失の早期認識)。 ⑦ 単一性の原則:目的ごとに作る財務書類でも、基礎となる帳簿は1つ。
日本の企業会計原則は「帰納的アプローチ」で作成(会計実務から原則を抽出)。IFRS は「演繹的アプローチ」(概念フレームワークから演繹)。
継続性の原則と変更
正当な理由なく会計方針を変更すると継続性の原則に違反する。変更する場合は変更理由・影響額を注記する(遡及適用か将来適用かは基準による)。
保守主義の原則の具体例
・棚卸資産:低価法(原価と時価の低い方を採用) ・引当金:合理的に見積もれる将来損失を計上 ・減損:帳簿価額が回収可能価額を下回ったら損失を認識 損失の早期計上・利益の慎重計上が保守主義の本質。
ゴーイング・コンサーン(継続企業)前提の意義
企業が継続する前提のもとで、固定資産を取得原価で評価し耐用年数にわたって費用化(減価償却)する。仮に清算を前提とすれば、全資産を換金価値で評価する必要があり会計が根本的に変わる。
会計主体論(資本主理論と企業主体理論)
誰の観点から会計上の判断を行うかの理論。資本主理論=企業は出資者の集合体とみて、出資者の観点から判断する。企業主体理論=出資者は利害関係集団の1つにすぎず、企業は出資者とは別個の独立した存在とみて、企業自体の観点から判断・財務諸表作成を行う(2018年問題1(5)で語句出題、H29年も語群に登場)。
損益計算の3原則(実現・発生・対応)
損益計算書原則の柱は3つ。発生主義=費用・収益を現金収支ではなく発生の事実にもとづいて認識する。実現主義=収益はそのうち財貨の引渡し・役務の提供が完了して対価が成立した時点に限って計上する(発生しただけの未実現収益は原則として計上しない)。費用収益対応の原則=実現した収益に、その獲得に貢献した費用を個別対応または期間対応で割り当てる。⚠ 一般原則(真実性・正規の簿記・資本利益区別・保守主義・単一性など)と混同しないこと。3原則は損益計算書原則の側にある。
資産評価基準と資本維持概念
資産評価基準(取得原価・時価・割引現在価値)のどれを採るかで、保有利得(時価と取得原価の差)を利益に含めるかが変わる。資本維持概念は3つ=名目資本維持(貨幣額そのものを維持し保有利得は全額を利益とする)、実質資本維持(一般物価変動ぶん=購買力利得を資本修正に回し残りを利益とする)、実体資本維持(同一の生産能力を再取得するのに必要な額を維持し保有利得は全額を資本修正とする)。「どの評価基準を採っても最終清算までの合計利益は一致し、動くのは期間配分だけ」という論点が繰り返し問われる。
継続性の原則の適用例:棚卸資産の評価を「先入先出法」から「移動平均法」に変更する場合、正当な理由(税務との整合・業種の実態等)が必要。理由なく毎期変更を繰り返すと利益操作が可能になるため規制される。
3つの会計公準として正しい組み合わせはどれか。
保守主義の原則の具体例として最も適切なものはどれか。
継続性の原則について正しい記述はどれか。
収益費用アプローチは損益計算書を起点に「収益-費用」で利益を測り、対応させきれなかった金額が繰延資産や引当金として貸借対照表に残る。資産負債アプローチは資産・負債を先に定義し、純資産の期中増減(資本取引を除く)=包括利益として利益を測る。現行制度は資産負債アプローチへ寄っているが、当期純利益は実現・実現可能を要件とする収益費用アプローチの考え方を残しており、二層構造になっている。