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固定資産・減価償却

知識マップ

会計公式

ひとことで言うと

固定資産は使うことで価値が減少するため、取得原価を耐用年数にわたって費用配分する(減価償却)。定額法は毎期均等に、定率法は初期に多く費用計上する。減価償却費は現金を使わない費用(非資金費用)なので、内部留保として自己金融の機能を持つ。

固定資産の帳簿価額の推移。緑の直線が定額法(毎期均等に償却)、赤茶の曲線が定率法(初期に多く償却)。横軸は経過年数、縦軸は帳簿価額(取得原価100)。帳簿価額0246810020406080100定額法定率法

固定資産の帳簿価額の推移。定額法(緑の直線)は毎期均等償却、定率法(赤茶の曲線)は初期に大きく償却する。両方とも耐用年数末に残存価額(またはゼロ)へ収束する。

数式で表すと

定額法: 年間償却費 = (取得原価 − 残存価額) / 耐用年数

有形固定資産を耐用年数にわたって費用配分する手続き。定額法・定率法・生産高比例法。非資金費用であるため自己金融作用がある。

減価償却の主要な方法: ① 定額法:年間償却費=(取得原価残存価額)/耐用年数\text{年間償却費} = (\text{取得原価} - \text{残存価額}) / \text{耐用年数} ・毎期同額の費用計上。計算が単純で安定的。 ② 定率法:年間償却費=期首帳簿価額×定率\text{年間償却費} = \text{期首帳簿価額} \times \text{定率} ・初期に多く、後期に少なく費用計上(逓減)。技術進歩の速い資産向き。 ・200%定率法:定額法の2倍の率を使う(税法上の主流)。 ③ 生産高比例法:年間償却費=当期生産高/総推定生産高×(取得原価残存価額)\text{年間償却費} = \text{当期生産高} / \text{総推定生産高} \times (\text{取得原価} - \text{残存価額}) ・天然資源・航空機・船舶等、生産量に応じた償却。 減価償却の効果: ・費用計上により当期純利益は減少する。 ・しかし現金支出はない(取得時に支払い済)。 ・この「利益減少しても現金は出ない」仕組みにより、内部的に資金が蓄積される(自己金融作用)。

試験に出る性質

自己金融作用のメカニズム

売上代金として現金が入るが、減価償却費は費用として控除されるため、それ分の現金が利益として配当せずに内部留保される。将来の設備更新資金として機能する。

残存価額と耐用年数

税法上の耐用年数(法定耐用年数)は資産の種類ごとに規定されている。会計上は残存価額 0 円で計算することが多い(税法の備忘価額 1 円を除く)。

減価しない固定資産

土地・建設中の資産(建設仮勘定)・時価上昇する美術品等は減価償却の対象外。また無形固定資産のれんは、IFRS では償却しないが日本基準では20年以内で均等償却する。

例で見る

取得原価 1,000 万円、耐用年数 10 年、残存価額 0 円の場合: 定額法:年間 100 万円(= 1,000 / 10) 定率法(200%):償却率 = 1/10 × 200% = 20% 1年目:200 万円(= 1,000 × 20%) 2年目:160 万円(= 800 × 20%) 3年目:128 万円(= 640 × 20%)

つまずきポイント

  • 定率法は「期首帳簿価額」に定率をかける。取得原価に毎期かけるのではない。帳簿価額が減るほど償却費も減少する(逓減)。
  • 「減価償却費を計上すると税金が減る」(課税所得が減少するため)のは定率法の初期で特に効果が大きい。ただし総額は同じであり、早期に計上するか後期に計上するかの違い(時間価値の観点では早期計上が有利)。

定着クイズ

取得原価 2,400 万円、耐用年数 8 年、残存価額 0 円の固定資産を定額法で償却する場合、4 年後の帳簿価額はいくらか。

減価償却の「自己金融作用」の説明として正しいものはどれか。

定率法と定額法の比較として正しいものはどれか。

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