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会計・用語・資産・有価証券の会計
補助金や保険金で建物を建て直したのに、その受贈益・保険差益に一度に課税されると資金が目減りして「再取得を支援する」趣旨が損なわれる。そこで固定資産の帳簿価額を差益分だけ圧縮して当期の課税を避け、以後の減価償却費が小さくなる形で少しずつ課税を取り戻させる。つまり課税の免除ではなく「繰延」の仕組み。
保険差益のうち再取得に充当した割合だけが圧縮の対象になる(2023年度問題4(2)の数値例)
国庫補助金・保険差益などで固定資産を取得した際、その差益相当額だけ固定資産の帳簿価額を減額(圧縮)して当期の課税を繰り延べる処理。直接減額方式と積立金方式がある。課税の免除ではなく繰延。
圧縮記帳の対象となる典型例: ・国庫補助金(補助金で固定資産を取得) ・工事負担金 ・保険差益(火災等で滅失した資産の保険金で代替資産を再取得) ・交換差益
① 直接減額方式: ・圧縮損(例:建物圧縮損)を特別損失に計上し、固定資産の取得原価を直接減額する ・圧縮後の帳簿価額が以後の減価償却の基礎になる → 毎期の減価償却費が小さくなり、その分課税所得が増えて課税が徐々に取り戻される(=課税の繰延)
② 保険差益の圧縮限度額: 保険差益のうち圧縮記帳の対象となるのは、受取保険金に対する再取得充当額の割合に比例する部分だけ。 建物圧縮損=保険差益×(再取得に充当した保険金÷受取保険金)
③ 積立金方式: ・固定資産の取得原価は減額せず、剰余金の処分により圧縮積立金を積み立てる ・会計上の利益には影響させず、税務上だけ損金算入 → 会計と税務のズレが生じ、将来加算一時差異として税効果会計の対象になる(繰延税金負債を計上)
保険差益の圧縮限度額(按分式)
圧縮できるのは保険差益の全額ではなく、受取保険金のうち再取得に充当した割合に比例する部分だけ。建物圧縮損=保険差益×(再取得充当額÷受取保険金)。2018年問題4(3)・2023年問題4(2)で同型の計算が繰り返し出題されている。
課税の繰延であって免除ではない
直接減額方式では圧縮後の帳簿価額が減価償却の基礎になるため、以後の減価償却費が小さくなり、その分だけ毎期の課税所得が増える。当期に避けた課税は耐用年数にわたって取り戻される。
積立金方式と税効果会計
積立金方式では固定資産の取得原価を減額せず、剰余金処分で圧縮積立金を積み立てる。税務上だけ損金算入されるため将来加算一時差異が生じ、繰延税金負債を計上する(2024年度問題5(3)で国庫補助金の積立金方式が税効果計算の設定として出題)。
例:A社は取得原価4,000万円・減価償却累計額1,000万円の建物を火災で失い、保険金6,000万円を受け取った。うち4,500万円で建物を新築し、保険差益について圧縮記帳(直接減額方式)を行った。
滅失建物の帳簿価額=4,000−1,000=3,000万円
保険差益=保険金6,000−帳簿価額3,000=3,000万円
建物圧縮損=3,000×(4,500÷6,000)=2,250万円
仕訳(単位:万円):
① 滅失と保険金受取:(借)減価償却累計額1,000/当座預金6,000 (貸)建物4,000/保険差益3,000
② 新築:(借)建物4,500 (貸)当座預金4,500
③ 圧縮記帳:(借)建物圧縮損2,250[特別損失] (貸)建物2,250
B社は取得原価3,000万円・減価償却累計額600万円の建物を火災で失い、保険金5,000万円を受け取った。うち4,000万円で建物を新築し、保険差益について圧縮記帳(直接減額方式)を行った。建物圧縮損はいくらか。
圧縮記帳(直接減額方式)に関する記述として正しいものはどれか。
積立金方式による圧縮記帳に関する記述として正しいものはどれか。