税効果会計
知識マップ会計・用語
ひとことで言うと
会計上の利益と税務上の課税所得はズレることがある。このズレ(一時差異)が将来解消されるとき、先に払いすぎた税金(繰延税金資産)や後で払う税金(繰延税金負債)を B/S に計上することで、P/L の法人税等を当期の利益に対応させる。
一時差異と繰延税金資産・負債の関係。将来減算差異は繰延税金資産(資産)、将来加算差異は繰延税金負債(負債)として計上する。計上額は差異×実効税率。
数式で表すと
繰延税金資産/負債 = 一時差異 × 実効税率
会計上の費用・収益と税務上の損金・益金の認識タイミングの差(一時差異)を調整し、税引前利益と法人税等の対応を図る手続き。資産負債法(現行)。繰延税金資産の回収可能性判断が重要。
試験に出る性質
実効税率の計算
実効税率 = 法定実効税率(≒法人税率×(1+住民税率)+事業税率)÷(1+事業税率)。現行の実効税率は概ね30〜35%程度(地方税含む)。税率変更時は変更後税率で繰延税金資産・負債を再計算し、差額をP/Lに計上(税率変更効果)。
一時差異と永久差異の区別
一時差異:会計と税務のタイミングのズレ→将来解消される(税効果あり)。永久差異:永久に解消されない(税効果なし)。代表例:交際費損金不算入(損金×→費用は計上済→差異は解消されない)。
回収可能性の5分類
分類1(最良):過去3年・当期の課税所得が安定→将来差異全額が回収可能。分類5(最悪):過去3年連続欠損・翌期も欠損見込み→原則として繰延税金資産は計上不可(スケジューリング不能分は評価性引当額で全額控除)。
例で見る
貸倒引当金繰入(会計)1,000 万円、税務上の損金算入限度額 600 万円 将来減算一時差異 = 1,000 - 600 = 400 万円 繰延税金資産 = 400 × 実効税率 30% = 120 万円 仕訳:(借)繰延税金資産 120 /(貸)法人税等調整額 120
つまずきポイント
- 「繰延税金資産の計上には回収可能性の判断が必要」。計上要件を満たさない場合は評価性引当額で減額する。丸ごと計上できるわけではない。
- 「永久差異には税効果を認識しない」。交際費の損金不算入や受取配当金の益金不算入は、将来解消されないため一時差異ではなく、繰延税金資産/負債を計上しない。
定着クイズ
将来減算一時差異が生じた場合、B/S に計上されるものはどれか。
繰延税金資産の計上に際して必要な判断として正しいものはどれか。
将来加算一時差異1,000万円、実効税率30%のとき、B/Sに計上される金額と科目の組み合わせとして正しいものはどれか。
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