有価証券の評価
知識マップ会計・用語
ひとことで言うと
有価証券は「なぜ持っているか(保有目的)」によって期末の評価方法が異なる。売買目的は値動きを利益に反映、満期保有は利息だけを認識、その他は値動きを純資産に直接反映、子会社・関連会社株式は原価のまま。
保有目的別の評価方法まとめ。評価差額をP/Lに反映するか(売買目的)、純資産に直入するか(その他)、認識しないか(満期保有・原価法)が重要な区別。
数式で表すと
償却原価法: 期末帳簿価額 = 前期帳簿価額 ± (額面−取得原価)/残存年数
保有目的別の評価:①売買目的→時価、差額はP/L ②満期保有目的→償却原価法 ③その他→時価、差額は純資産直入(税効果後) ④子会社・関連会社→原価法。著しい下落は強制評価減。
試験に出る性質
その他有価証券の「純資産直入」の仕訳
時価上昇:借方 有価証券 / 貸方 その他有価証券評価差額金(純資産)※税効果調整後。時価下落:逆の仕訳。評価差額はP/Lを通過せず純資産に直接計上されるため、当期純利益には影響しない(包括利益には含まれる)。
償却原価法の仕組み
額面100・取得価額95の債券を5年満期で保有した場合、毎期(100-95)/5=1 の利息(償却額)を追加認識して帳簿価額を95→96→97…→100と段階的に額面に近づける。
持分法(関連会社)
20〜50%未満を保有する関連会社株式は原価法ではなく「持分法」を適用。被投資会社の純利益・配当に応じて投資額を修正する(個別財務諸表では原価法が多い)。
例で見る
A社株式(その他有価証券):取得原価 1,000 万円、期末時価 1,200 万円、実効税率 30% 評価差額 200 万円 × (1-30%) = 140 万円が純資産(その他有価証券評価差額金)に計上 繰延税金負債 60 万円(= 200 × 30%)が計上される → P/L への影響なし、B/S の純資産が 140 万円増加
つまずきポイント
- 「その他有価証券の評価差額はP/Lに計上しない」。純資産直入(包括利益には含まれるが当期純利益には含まれない)。売買目的と混同しないこと。
- 子会社・関連会社株式は「時価が下がっても帳簿価額を変えない(原価法)」が原則。ただし著しい下落で回復可能性がない場合は「強制評価減」で損失計上が必要。
定着クイズ
その他有価証券の期末評価について正しい記述はどれか。
満期保有目的の債券の評価方法として正しいものはどれか。
子会社株式の期末評価について正しいものはどれか。
この用語を扱う問題(0)