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会計・用語・資産・有価証券の会計
形はないが、その企業が使い続けることで収益を生む固定資産。借地権や特許権のような法律上の権利、ソフトウェア、そして買収で生じたのれんが並ぶ。試験で狙われるのは「何が無形固定資産に入るか」という外延と、ソフトウェア制作費のうちどれを資産に計上するかの線引き。
| 区分 | 要件 | 会計処理 |
|---|---|---|
| 市場販売目的 | 製品マスター完成まで | 研究開発費(費用) |
| 市場販売目的 | 完成後の著しい改良 | 研究開発費(費用) |
| 市場販売目的 | 完成後・著しい改良にあたらない制作費 | 無形固定資産に計上 |
| 自社利用目的 | 収益獲得・費用削減が確実 | 無形固定資産に計上 |
| 自社利用目的 | 確実とはいえない | 費用処理 |
資産計上できるのは、自社利用目的で収益獲得・費用削減が確実な場合と、市場販売目的で製品マスター完成後かつ著しい改良にあたらない制作費だけ
物理的な形態をもたない固定資産。借地権、産業財産権(特許権・実用新案権・意匠権・商標権)などの法律上の権利、ソフトウェア、および営業権(のれん)が含まれる。ソフトウェア制作費は制作の目的により資産計上と費用処理が分かれる。
無形固定資産に含まれる主なものは次のとおり。
・法律上の権利:借地権、産業財産権(特許権・実用新案権・意匠権・商標権)、鉱業権、漁業権など ・ソフトウェア ・営業権(のれん)
償却は原則として残存価額をゼロとする定額法で行い、貸借対照表では償却累計額を直接控除した残高で表示する(有形固定資産のような間接控除の形をとらない)。のれんは20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって規則的に償却する。
産業財産権は特許権・実用新案権・意匠権・商標権の4つを指す用語であり、鉱業権や漁業権はこれに含まれない(無形固定資産ではあるが産業財産権ではない)。この入れ子構造が正誤問題で狙われる。
ソフトウェア制作費は、制作の目的と内容によって資産計上か費用処理かが分かれる。
・受注制作のソフトウェア:請負工事に準じて処理する ・市場販売目的:最初に製品化された製品マスターの完成までの制作費は研究開発費として費用処理する。完成後の制作費は無形固定資産に計上するが、完成以後に発生する著しい改良や強化のための費用は再び研究開発費として費用処理する ・自社利用目的:将来の収益獲得または費用削減が確実である場合に無形固定資産として計上する。確実でなければ費用処理する
無形固定資産には借地権・産業財産権・営業権(のれん)・ソフトウェアが含まれる
2017年度問題2(3)は借地権・産業財産権・営業権の3つをすべて正しい肢として問うた(正解はすべて正しい)。外延そのものを問う形式が繰り返されている。
産業財産権は特許権・実用新案権・意匠権・商標権の4つで、鉱業権・漁業権は含まれない
2019年度問題2(3)は意匠権・鉱業権・漁業権を並べ、意匠権だけが正しいという解答であった。無形固定資産か産業財産権かで階層が1段違う。
自社利用目的のソフトウェアは、将来の収益獲得または費用削減が確実な場合に限り無形固定資産に計上する
2023年度問題2(2)で、3つの記述のうちこれだけが正しいものとして解答になった。「確実」という条件を落とすと誤りになる。
市場販売目的のソフトウェアは、最初に製品化された製品マスターの完成までの制作費を研究開発費として費用処理する
2023年度問題2(2)の誤りの記述。資産計上できるのは完成後の制作費である。
製品マスター完成後であっても、著しい改良や強化のための費用は研究開発費として費用処理する
2023年度問題2(2)のもう1つの誤りの記述。完成後なら何でも資産計上できるわけではない。
無形固定資産の償却は残存価額をゼロとする定額法が原則で、貸借対照表では直接控除した残高で表示する
有形固定資産のように減価償却累計額を控除形式で示さない点が異なる。
例(2017年度 問題2(3)・2019年度 問題2(3)・2023年度 問題2(2)の論点)
次のうち無形固定資産として貸借対照表に計上されるものはどれか。
(1) 借地権 → 法律上の権利であり無形固定資産に計上する。
(2) 漁業権 → 無形固定資産に計上する。ただし産業財産権ではない。産業財産権は特許権・実用新案権・意匠権・商標権の4つ。
(3) 市場販売目的のソフトウェアについて、最初に製品化された製品マスターが完成するまでに要した制作費 → 研究開発費として費用処理する。
(4) 上記の製品マスターが完成した後に発生した、著しい機能強化のための費用 → 研究開発費として費用処理する。
(5) 自社で利用する業務システムの購入費で、これにより将来の費用削減が確実と認められるもの → 無形固定資産に計上する。
(6) 自社利用のソフトウェアだが、収益獲得も費用削減も確実とはいえないもの → 費用処理する。
したがって無形固定資産に計上されるのは (1)(2)(5) である。
産業財産権に含まれるものの組み合わせとして正しいものはどれか。
ソフトウェア制作費のうち、無形固定資産として計上されるものはどれか。
無形固定資産に関する記述として誤っているものはどれか。