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多段階成長DDM

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投資理論公式

ひとことで言うと

企業の成長は一定ではない。高成長期(設立直後・新技術等)の各期配当を個別に割り引き、安定成長移行後はゴードン成長モデルを使ってターミナルバリューを計算し、その現在価値を加える。

多段階成長DDM。高成長期(薄緑)の配当現在価値と、安定成長期以降のターミナルバリュー(TV)現在価値(赤茶)の合計が株式価値。TVが全体の大部分を占めることが多い。PV(D1)t=1PV(D2)t=2PV(D3)t=3PV(TV)t=3以降株式価値 = 高成長期PV合計 + ターミナルバリューPV

高成長期(薄緑)の配当現在価値とターミナルバリュー(TV)現在価値(赤茶)の合計が株式価値。実際にはターミナルバリューが全体の 60〜80% を占めることが多い。

数式で表すと

V0=t=1TDt(1+r)t+PT(1+r)T,PT=DT+1rg2V_0 = \sum_{t=1}^{T} \frac{D_t}{(1+r)^t} + \frac{P_T}{(1+r)^T}, \quad P_T = \frac{D_{T+1}}{r-g_2}

高成長期(t=1~T)の配当PVと、その後の定率成長ターミナルバリューPV(P_T)の合計。P_T = D_{T+1}/(r−g₂) がゴードン価値。

2 段階成長 DDM の一般形: V0=t=1TDt(1+r)t+PT(1+r)TV_0 = \sum_{t=1}^{T} \frac{D_t}{(1+r)^t} + \frac{P_T}{(1+r)^T} ここで PTP_T(ターミナルバリュー)は安定成長への移行を仮定したゴードン価値: PT=DT+1rg2=DT(1+g2)rg2P_T = \frac{D_{T+1}}{r - g_2} = \frac{D_T(1+g_2)}{r - g_2} g1g_1:高成長期の成長率(TT 期間)、g2g_2:安定期の成長率(g2<rg_2 < r)。 計算手順:① D1,D2,,DTD_1, D_2, \ldots, D_T を計算 → ② 各期 PV を合計 → ③ PTP_T を計算 → ④ PT/(1+r)TP_T/(1+r)^T を加算。

試験に出る性質

ターミナルバリューが価値の大部分を占める

高成長が 3〜5 年でも、ターミナルバリューが株式価値全体の 60〜80% になることが多い。安定成長率 g2g_2 の仮定が評価結果に大きく影響する。

高成長期の長さ T をどう設定するか

業界の競争環境・特許・市場シェアなどを考慮して設定。10 年を超える高成長期仮定は通常非現実的。

3 段階モデルへの拡張も可能

高成長 → 逓減成長 → 安定成長の 3 段階モデルも試験に登場する。各段階で同じ「個別割引 + ゴードン価値の繰り返し」の構造。

例で見る

D0=100D_0=100、高成長 g1=15%g_1=15\%(3 年間)、安定成長 g2=4%g_2=4\%r=10%r=10\% のとき: D1=115,D2=132.25,D3=152.09D_1=115, D_2=132.25, D_3=152.09 P3=152.09×1.04/(0.100.04)=158.17/0.06=2,636.2P_3 = 152.09 \times 1.04/(0.10-0.04) = 158.17/0.06 = 2{,}636.2 V0=115/1.1+132.25/1.21+152.09/1.331+2636.2/1.331V_0 = 115/1.1 + 132.25/1.21 + 152.09/1.331 + 2636.2/1.331 =104.5+109.3+114.3+1,980.62,308.7= 104.5 + 109.3 + 114.3 + 1{,}980.6 \approx 2{,}308.7

つまずきポイント

  • DT+1D_{T+1}(安定成長期の最初の配当)は DT×(1+g2)D_T \times (1+g_2)DT×(1+g1)D_T \times (1+g_1) ではない(高成長率で伸ばし続けない)。移行後の成長率 g2g_2 を使う。
  • ターミナルバリュー PTP_T を割り引く指数は TT(高成長期の長さ)。PT/(1+r)T+1P_T/(1+r)^{T+1} と間違えないこと。

定着クイズ

D0=100D_0 = 100 円、高成長 g1=20%g_1 = 20\%(2 年間)、安定成長 g2=3%g_2 = 3\%r=10%r = 10\% のとき、ターミナルバリュー P2P_2(2 年後時点の価値)はいくらか(小数第 1 位まで)。

多段階成長 DDM でターミナルバリュー(TV)が全体の株式価値に占める割合について正しい記述はどれか。

ターミナルバリュー PT=DT+1/(rg2)P_T = D_{T+1}/(r-g_2)DT+1D_{T+1} の計算に使う成長率はどれか。

関連:#R026#R028

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