acpass

定率成長DDM(ゴードン成長モデル)

知識マップ

投資理論公式

ひとことで言うと

配当が毎期一定率 gg で成長し続けるとき、DDM は V0=D1/(rg)V_0 = D_1/(r-g) という閉形式で表せる(ゴードン成長モデル)。成長率が高い・割引率が低いほど株式価値が高い。ggrr に近づくと価値は急騰する。

横軸 g(成長率)・縦軸 V₀(株式価値)。D₁=5, r=10%の場合。g が r に近づくほど価値が急騰(g=r で無限大)。gV₀0%2%4%6%8%50100150200250g=5%: V=100g→r で∞

横軸 g(成長率)・縦軸 V₀(株式価値)。D1=5D_1=5r=10%r=10\% の場合。ggrr に近づくにつれ価値が急激に上昇し、g=rg=r で理論上無限大になる。

数式で表すと

V0=D1rg=D0(1+g)rgV_0 = \frac{D_1}{r - g} = \frac{D_0(1+g)}{r - g}

配当が毎期一定率 g で成長するとき V₀ = D₁/(r−g)。D₁ = D₀(1+g)。r > g が必要条件。

定率成長 DDM(ゴードン成長モデル): V0=D1rg=D0(1+g)rgV_0 = \frac{D_1}{r - g} = \frac{D_0(1+g)}{r - g} 成立条件:r>gr > g(永久成長率は割引率未満)。 直感:rgr - g は「純粋な割引効果(成長で相殺された後の実質割引率)」。分母が小さいほど価値は大きい。 配当利回りとの関係:D1/V0=rgD_1/V_0 = r - g より、期待収益率 == 配当利回り ++ 成長率(キャピタルゲイン)。

試験に出る性質

r > g が必須(そうでないと発散する)

長期的に grg \geq r は維持できない(経済全体の成長率を超え続けることは不可能)。モデル適用には実現可能な長期安定成長率の仮定が必要。

配当利回り + 成長率 = 期待収益率

r=D1/V0+gr = D_1/V_0 + g。「ゴードンモデルを逆に解く」と株主資本コスト rr の推定に使える。

成長率 g の変化は価値に大きく影響する

r=10%r = 10\% のとき、gg が 4% から 5% に 1% 上がると V0V_0 は 1.67 倍(D1/0.06D1/0.05D_1/0.06 \to D_1/0.05)。成長率の推定誤差が価値評価に与える影響が大きい。

例で見る

D0=100D_0 = 100 円、g=4%g = 4\%r=9%r = 9\% のとき: D1=100×1.04=104D_1 = 100 \times 1.04 = 104V0=104/(0.090.04)=104/0.05=2,080V_0 = 104 / (0.09 - 0.04) = 104 / 0.05 = 2{,}080

つまずきポイント

  • D1D_1(来期配当)と D0D_0(当期実績配当)を混同しない。公式の分子は来期配当 D1=D0(1+g)D_1 = D_0(1+g)D0D_0 を分子にするのは誤り。
  • rgr - g が分母。r>gr > g の条件を確認してから計算する。g=rg = r の場合は分母ゼロで計算不能(モデルの前提が崩れる)。

定着クイズ

D0=80D_0 = 80 円、成長率 g=5%g = 5\%、株主資本コスト r=9%r = 9\% のとき、ゴードン成長モデルによる株式価値はいくらか。

ゴードン成長モデルが成立するための必要条件はどれか。

V0=3,000V_0 = 3{,}000 円、D1=120D_1 = 120 円、g=4%g = 4\% のとき、この株式の株主資本コスト rr はいくらか。

この用語を扱う問題(0