定常人口における被保険者数分布とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass年金数理・公式・定常人口と人員構成
ひとことで言うと
定常人口では、年齢 x の人数が脱退残存表の lₓ にそのまま比例する。だから「制度全体の人数」と「脱退残存表」が分かれば、毎年の新規加入者数は割り算1回で出る。
定常人口の年齢別被保険者数は、脱退残存表を新規加入者数だけスケールしたものになる。したがって制度全体の人数と脱退残存表から、新規加入者数は割り算1回で逆算できる。
数式で表すと
被保険者総数=∑x=ar−1lx,年齢xの人数=lx 加入年齢 xe・毎年の新規加入者数 A の定常人口では、年齢 x の被保険者数は
Lx=Alxelx
試験に出る性質
定常人口の年齢別人数は脱退残存表に比例する
Lx=Alx/lxe
例で見る
<計算の前提>
・B1〜B6 と同じトイモデル(l57=1,000、l58=900
つまずきポイント
- εx の分母を lxe ではなく lx
定着クイズ
Q1定常人口の制度全体の被保険者数を L、加入年齢を xe、εx=(∑y=xxr−1ly)/lx とする。毎年の新規加入者数 A を表す式として正しいものはどれか。
Q2εx=(∑y=xxr−1ly)/lx が表す量の説明として正しいものはどれか。
Q3定常人口の制度で、加入年齢が x1 と x2 の2つあり、新規加入者数の割合が α1:α2 であるとする。x1 歳の新規加入者数 Ax1 を表す式として正しいものはどれか。
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定常状態での年齢別被保険者数。加入年齢 a・定年 r の制度で毎年 la 人が加入するなら、年齢 x の人数は lx に比例し、総数は ∑x=ar−1lx になる。
L=x=xe∑xr−1Lx=Alxe1x=xe∑xr−1lx
εx=lx1y=x∑xr−1ly
とおくと L=Aεxe と1行で書けるので、逆に
A=εxeL
εx は在職年数の期待値である
εx は「x 歳の人が定年までに在職する年数の期待値」に等しい。数え上げの順序を入れ替えるだけで出るので、覚え直す必要はない。本試験は 2021 年度が εx、2023 年度が ex と同じ量を別の記号で置いているので、記号ではなく定義式で読むこと。
年齢 x1 と x2 に α1:α2 の割合で加入があるなら、x1 歳の新規加入者数は
Ax1=α1εx1+α2εx2α1L
になる。分母が割合で重みづけした和になるところが要点で、3つ以上でも同じ形が続く。
の1本しかない。脱退残存表そのものを人数として扱ってよい場合(
のとき)と、スケールが必要な場合を区別する。本試験は総人数
を与えて新規加入者数を聞く形が多い。
εx は在職年数の期待値と同じ量である
εx=(∑y=xxr−1ly)/lx は、x 歳の1人が定年までに在職する年数の期待値に等しい。数え上げの順序を入れ替えるだけで示せるので、2つの量として覚え直す必要はない。
同じ量が本試験内で εx と ex の2通りで書かれている
2021年度問題2(1)は εx、2023年度問題2(2)は ex を使っているが定義式は同一である。ex は生保数理で略算平均余命を指す記号でもあるので、記号ではなく問題文の定義式を読むこと。
加入年齢が複数なら分母は割合で重みづけした ε の和になる
α1:α2 の割合なら Ax1=α1L/(α1εx1+α2εx2)。分子の割合と分母の重みが同じ添字で対応していることを確認すれば、選択肢の入れ替えに引っかからない。
加入年齢が高いほど同じ総人数に必要な新規加入者数は増える
εx は年齢が上がるほど小さくなる(残りの在職年数が短いため)。したがって A=L/ε は大きくなる。加入年齢を引き上げる制度変更の設問では、この向きを取り違えると符号を落とす。
、
l59=800 、定年60歳)
・制度全体の被保険者数は L=2,700 人
ε57=1,0001,000+900+800=2.7
なので A=2.72,700=1,000 人。57歳で加入した人は平均 2.7 年在職する、と読んでもよい。
(2)加入年齢が2つある場合(2021年度問題2(1)を参考にした例)
加入年齢が 57 歳と 58 歳で、割合が 3:1 だったとする。ε58=900900+800=1.888… なので
A57=3×2.7+1×1.88893×2,700=9.98898,100=810.9 人
となる。加入年齢が上がるほど ε が小さくなるので、同じ総人数を維持するのに必要な新規加入者数は増える。
加入年齢が3つで割合が 3:2:1 なら、いちばん若い年齢の新規加入者数は
Ax1=3εx1+2εx2+εx33L
になる。分子の 3 と分母の重み 3,2,1 が同じ割合であることを確認すれば、選択肢の取り違えは起きない。
以外の値にしてしまう。定義は「
歳から定年直前までの
の和を
で割る」であって、割る先は必ず自分自身の年齢の
である。
和の上端を xr にしてしまう。在職しているのは xr−1 歳までで、xr 歳の人はもう定年退職している。上端を1つ間違えるだけで lxr のぶんだけ人数が過大になる。 加入年齢が複数のときに、分母を単純な ε の和にしてしまう。割合で重みづけしないと、加入者数の比が結果に反映されない。