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モデリング・用語・時系列
定常化とは、トレンドや単位根のために定常でない系列を、操作を加えて定常な系列に変える前処理です。主役は差分——隣の時点との差をとること——で、何回差分すれば定常になるか(積分次数 )が系列の性格を表します。乗法的なトレンドには対数変換、季節パターンには季節差分、と戦略を使い分けます。
上段は上昇トレンドをもつ非定常系列(ランダムウォーク)。下段は1回差分 をとった後で、ゼロ線まわりを定常的に振動する。1回の差分でトレンドが消え、この過程が I(1)(1回差分で定常)と分かる。
定常化とは、そのままでは定常でない時系列を、変換を施して定常な系列に変える操作のことです。多くの時系列モデル(AR・MA など)は定常性を前提に作られているため、トレンドや単位根をもつ非定常系列はまず定常化してからモデルに乗せる、という段取りになります。中心的な手段が差分(差分で扱う
定常化の目的
AR・MA等は定常性が前提。非定常系列は差分などで定常にしてからモデルに乗せる前処理が定常化。
積分次数 d / I(d)
回差分で定常になる過程を I() と呼ぶ。ARIMA() の がこれ。多くは
ランダムウォーク
回差分してはじめて定常になる過程の呼び名は?
ランダムウォーク を1回差分すると?
変動幅が時間とともに比例して拡大する乗法的トレンドへの対処は?
関連問題は現在準備中です。
非定常系列を差分などで定常にする操作。トレンド除去に差分を用いる。
ポイントは『何を、何回、どのように』定常化するかという戦略です。第一に差分の回数=積分次数 という考え方があります。 回差分してはじめて定常になる過程を I()( 次の和分過程)と呼び、これが ARIMA() モデルの真ん中の文字 にあたります。たとえばランダムウォーク ( なので非定常)は、1回差分すると となり、これは独立同分布のホワイトノイズなので定常です。よってランダムウォークは I(1)(1回差分で定常)。線形トレンドをもつ も、1回差分すると平均が の定常系列に変わります——『1回の差分が線形トレンドを除去する』という直感を、ここでしっかり押さえてください。たいていの経済・保険データは1回、せいぜい2回の差分で定常になります。
第二に、トレンドが乗法的(時間とともに変動幅も比例して大きくなる)な場合は、差分の前に対数変換を施します。対数をとると比例的な増減が一定幅の増減に変わり、その後の差分が効きやすくなります(対数差分 は近似的に成長率を表します)。第三に、季節パターン(毎年同じ月に山がくるなど)には季節差分 ( は季節周期、月次なら )を使い、1年前との差をとって季節成分を打ち消します(差分で代数的に詳しく扱います)。これらは組み合わせて使え、たとえば『対数 → 季節差分 → 通常差分』という多段の前処理もよくあります。なお差分のしすぎ(過差分)はかえって系列を扱いにくくするので、定常になった時点で止めるのが鉄則です。
差分が線形トレンドを除去
を1回差分すると平均 の定常系列になる。トレンドが消える。
対数変換+差分
乗法的(変動幅が比例して拡大)なトレンドには先に対数をとる。対数差分 は近似的に成長率を表す。
季節差分
季節周期 の山には で1周期前との差をとる。通常差分と組み合わせられる。
これは iid のホワイトノイズで定常。よってランダムウォークは I(1)(1回差分で定常になる積分次数1の過程)。
線形トレンド では となり、平均 の定常系列。1回の差分でトレンドが除去される。