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モデリング用語

ひとことで言うと

時系列の統計的な性質(平均・分散・自己相関)が時間によらず一定であるという性質です。定常な過程は、いつの時点を切り出しても同じような振る舞いをします。

こんなデータが従う

AR(1)で|φ|<1のときの過程(定常)ランダムウォーク(非定常、分散が時間とともに増大)トレンドのある経済データを差分して定常にする手法定常性を仮定できる時系列モデルの当てはめ季節調整後の時系列データの定常性チェック

多くの時系列モデル(AR, MAなど)は定常性を前提とするため、実データに当てはめる前に定常性を確認・処理することが重要です。

上段は平均・分散が時間に依らず一定の定常な系列、下段は平均がトレンドし分散も広がる非定常な系列定常:一定の幅で変動非定常:平均がトレンドし幅も広がるt

上:定常な過程(一定の平均の周りを変動)。下:非定常な過程(トレンドがあり平均が時間とともに変化)。

数式で表すと

ϕ<1|\phi|<1

平均・分散・自己共分散が時間に依らない性質。AR(1)では ϕ<1|\phi|<1 が条件。

時系列が(弱)定常であるとは、平均 E[Yt]=μE[Y_t]=\mu が時間tに依存せず一定であり、分散 Var(Yt)=γ0Var(Y_t)=\gamma_0 も一定、さらに自己共分散 Cov(Yt,Yt+k)=γkCov(Y_t,Y_{t+k})=\gamma_k が時点tに依存せず時間差kだけで決まることを指します。 定常性は多くの時系列モデル(AR, MAなど)を適用するための前提条件です。AR(1)であれば ϕ<1|\phi|<1 が定常性の条件(concept: AR)になります。一方、ランダムウォーク(concept: ランダムウォーク)のように時間とともに分散が増大する過程やトレンドのある過程は非定常です。 実データが非定常な場合、差分をとる(YtYt1Y_t-Y_{t-1})ことで定常な系列に変換できることが多く、これがARIMAモデルの「I」(integrated, 差分)の部分に対応します。定常性の検定には単位根検定(ディッキー・フラー検定など)が使われます。

試験に出る性質

定義(弱定常性)

E[Yt]=μE[Y_t]=\mu(一定)、Var(Yt)=γ0Var(Y_t)=\gamma_0(一定)、Cov(Yt,Yt+k)=γkCov(Y_t,Y_{t+k})=\gamma_k(tに依存せずkのみで決まる)。

AR(1)の定常条件

ϕ<1|\phi|<1

非定常の例

ランダムウォーク(分散が時間とともに増大)、トレンドのある系列。

定常化の手法

差分をとる(ARIMAの「I」の部分)。

検定

単位根検定(ディッキー・フラー検定など)で定常性を確認できる。

例で見る

ランダムウォーク Yt=Yt1+εtY_t=Y_{t-1}+\varepsilon_t では、Var(Yt)=tσ2Var(Y_t)=t\sigma^2 となり時間tに依存するため非定常。差分 ΔYt=YtYt1=εt\Delta Y_t=Y_t-Y_{t-1}=\varepsilon_t を取ると、Var(ΔYt)=σ2Var(\Delta Y_t)=\sigma^2 で一定になり定常になる。

つまずきポイント

  • 平均が一定であることだけを確認し、分散や自己共分散の時間不変性を見落とす
  • トレンドのある系列を定常だと誤解して、そのままAR/MAモデルに当てはめる
  • 差分をとれば必ず定常になると過信する(追加の変換や検定での確認が必要な場合がある)

定着クイズ

弱定常性の条件に含まれないものは?

ランダムウォークYt=Yt-1+εtが非定常である理由は?

非定常な時系列を定常化する代表的な手法は?

この用語を扱う問題(3