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自己相関

知識マップ

モデリング用語

ひとことで言うと

自己相関 ρk\rho_k はラグ kk 離れた値どうしの相関ですが、モデル識別では ACF(自己相関)と PACF(偏自己相関)の2枚組で見ます。AR は ACF が指数減衰・PACF がラグ pp で打ち切り、MA は逆に ACF がラグ qq で打ち切り・PACF が指数減衰。この『減衰か打ち切りか』のパターンで次数 p,qp,q を読み取るのが実用スキルです。

AR(1)でφ=0.7のACF(緑)とMA(1)でθ=0.7のACF(赤)をラグkごとに並べた棒グラフ。AR(1)はρ_k=0.7^kで0.7,0.49,0.343と指数的に減衰し尾を引く。MA(1)はρ_1≈0.470でラグ2以降ぴたりと0に切れる。ACFが急に0に切れたらMA、いつまでも尾を引けばARという識別法を示す緑AR:指数減衰で尾を引く / 赤MA:ラグ2で0に切れるk=0k=1k=2k=3k=4ρ_kラグk

AR(1) ϕ=0.7\phi=0.7 の ACF(緑)は ρk=0.7k\rho_k=0.7^k で指数減衰し尾を引く。MA(1) θ=0.7\theta=0.7 の ACF(赤)は ρ10.470\rho_1\approx0.470 でラグ2以降ぴたり 00。『急に切れたらMA・尾を引けばAR』。

数式で表すと

ρk=γk/γ0\rho_k=\gamma_k/\gamma_0

同一系列のラグ kk での相関 ρk\rho_k。AR は指数減衰、MA(1) はラグ2で0。

自己相関 ρk=γk/γ0\rho_k=\gamma_k/\gamma_0 は、同じ系列のラグ kk 離れた2値の相関でした。これを実務で使うとき主役になるのが、ρk\rho_k をラグごとに並べた ACF(自己相関関数)と PACF(偏自己相関関数)という2つの道具です。両者を読み比べて AR か MA か、そして次数 p,qp,q がいくつかを当てる——これがモデル識別の中心スキルです。 PACF とは、ラグ kk の自己相関から『途中のラグ 1,,k11,\dots,k-1 を通じた間接的な相関』を取り除いた、YtY_tYtkY_{t-k} の直接の結びつきだけを測ったものです。たとえば AR(1) では YtY_tYt2Y_{t-2}Yt1Y_{t-1} を経由して相関しますが、Yt1Y_{t-1} を固定して間接経路を消すと直接の相関は 00 になります。だから AR(1) の PACF はラグ1だけが大きく、ラグ2以降は 00 にぴたりと切れます。一般に AR(pp) は ACF が指数(または減衰振動)で尾を引き、PACF がラグ pp で打ち切りになります。MA(qq) はちょうど立場が逆で、ACF がラグ qq で打ち切り、PACF が指数で尾を引きます。つまり『AR:ACF減衰/PACF打ち切り、MA:ACF打ち切り/PACF減衰』で、打ち切りが起きるラグの位置がそのまま次数を教えてくれます。 数値例で確かめます。AR(1) で ϕ=0.7\phi=0.7 の ACF は ρk=0.7k\rho_k=0.7^k なので k=1k=10.70.7k=2k=20.490.49k=3k=30.3430.343 と指数減衰し尾を引きます。MA(1) で θ=0.7\theta=0.7 の ACF は、γ0=(1+θ2)σ2=1.49σ2\gamma_0=(1+\theta^2)\sigma^2=1.49\sigma^2γ1=θσ2=0.7σ2\gamma_1=\theta\sigma^2=0.7\sigma^2 なので ρ1=0.7/1.490.470\rho_1=0.7/1.49\approx0.470、そして ρk=0 (k2)\rho_k=0\ (k\ge2) とラグ2でぴたり 00 に切れます。『ACF が急に 00 に切れたら MA、いつまでも尾を引けば AR』という識別法が一目で分かります。実データではノイズで完全に 00 にはならないので、±2/n\pm2/\sqrt{n} の信頼帯を超えるかどうかで有意なラグを判定し、p,qp,q を推定します。

試験に出る性質

ACFとPACFの2枚組

ACF は ρk\rho_k をラグごとに並べたもの、PACF は間接経路を除いた Yt,YtkY_t,Y_{t-k} の直接相関。両方をセットで読む。

AR($p$)のパターン

ACF は指数で尾を引く、PACF はラグ pp で打ち切り。打ち切り位置が次数 pp

MA($q$)のパターン

ACF はラグ qq で打ち切り、PACF は指数で尾を引く。ARとちょうど立場が逆。

識別の合言葉

『急に 00 に切れたら MA・いつまでも尾を引けば AR』。打ち切りが起きるラグがそのまま次数を示す。

有意性の判定

実データは ±2/n\pm2/\sqrt{n} の信頼帯を超えるラグを『有意』とみて p,qp,q を推定。

例で見る

AR(1) ϕ=0.7\phi=0.7: ACF は ρk=0.7k\rho_k=0.7^k0.7,0.49,0.3430.7,0.49,0.343…指数減衰、尾を引く)。 MA(1) θ=0.7\theta=0.7: ρ1=0.7/1.490.470\rho_1=0.7/1.49\approx0.470ρk=0 (k2)\rho_k=0\ (k\ge2)(ラグ2でぴたり0に切れる)。 ACF が急に切れたらMA、尾を引けばARと識別できる。

つまずきポイント

  • ACFだけ見てモデルを決める(AR/MAの識別は ACF と PACF の両方が必須)
  • ARとMAのACF/PACFパターンを逆に覚える(AR:ACF減衰・PACF打ち切り/MA:ACF打ち切り・PACF減衰)
  • 実データのACFが完全に 00 になると期待する(ノイズで揺れる。±2/n\pm2/\sqrt{n} の信頼帯を超えるかで判定)

定着クイズ

AR(pp) のACF・PACFのパターンは?

MA(1) θ=0.7\theta=0.7ρ1\rho_1ρ2\rho_2 は?

ACFが『急に0に切れた』ら?

この用語を扱う問題(2