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モデリング・用語・時系列
移動平均(MA)モデルは、現在の値が「今期と過去いくつかの誤差項(ショック)の重み付き和」で決まる時系列モデルです。AR モデルが過去の"値"を引きずるのに対し、MA は過去の"ランダムなショック"だけを一定期間引きずります。
MA(1) の自己相関 の棒グラフ。ラグ1だけ
MA(移動平均)モデルは、現在の値を過去のランダムな誤差項(ショック) の重み付き和で表す時系列モデルです。最も基本の MA(1) は
MA(1) の式
MA(1) で 、誤差分散 のとき
MA(1) の自己相関 ()は?
MA(1) の は?
AR と MA の自己相関の違いとして正しいのは?
移動平均モデル。MA(1) は 。ラグ2以降の自己相関は0。
MA(1) の自己共分散・自己相関を計算してみます。分散(ラグ0の自己共分散)は (独立な2項の分散の和 )。ラグ1の自己共分散は で、共通して含むのは の項だけなので 。よって自己相関は となります。ラグ2以降は と が共通のショックを1つも含まないため、自己相関がきっかり0になるのです。これが MA の「有限の記憶」の正体です。
この自己相関の形の違いは、実務での AR/MA 判別の手がかりになります。データの自己相関(ACF)を描いたとき、あるラグから先がぱたりと0に切れていれば MA、いつまでも指数的に尾を引いていれば AR、という見分け方です(より厳密には MA は ACF が打ち切られ、AR は偏自己相関 PACF が打ち切られる)。一般化すると MA() モデルは で、過去 期のショックを含むため自己相関はラグ まで非ゼロ、 以降が0になります。MA はショックの重み付き和なので の値によらず常に定常である点も AR との違いです。
分散と自己相関
、、。
有限の記憶(ACFが打ち切られる)
MA(1) はラグ2以降の自己相関がぴたり0。AR(1) の (指数減衰し続ける)と対照的。
AR/MAの判別
ACFが急に0に切れたら MA、いつまでも尾を引けば AR。実務の見分けの手がかり。
MA(q)への一般化と定常性
MA() は過去 期のショックを含み、自己相関はラグ までで 以降は0。MA は常に定常。
MA(q)への一般化と反転可能性
MA(q)モデル は の値によらず常に定常だが、一意にAR()表現へ書き直せる「反転可能」であるためには特性方程式 の解の絶対値がすべて1より大きいことが必要(2022年度でARMA(2,2)の反転可能条件として出題)。
1期離れた値とは中程度に相関するが、2期以上離れると無相関になる。