モデリング・用語
ひとことで言うと
1ステップごとに+1か-1に確率p,qで進む単純な確率過程です。上端Nか下端0に達すると停止する設定(ギャンブラーの破産問題)が定番です。
こんなデータが従う
ギャンブラーの破産問題(資金が0かNに達するまで賭けを続ける)株価のランダムな変動の単純なモデル粒子のランダムな拡散運動保険会社の余剰資金の変動モデル(破産確率の理論)在庫数のランダムな増減
「資金がいくらかの目標額に達する前に0になる(破産する)確率」など、到達確率や到達までの時間を求める問題でよく使われる枠組みです。
±1ずつランダムに上下する経路。上端Nか下端0に達すると吸収される(破産・目標達成のモデル)。
数式で表すと
P勝=i/N, E[T]=i(N−i) (p=q)
±1 を確率 p,q で繰り返す過程。公正なら到達確率 i/N、期待歩数 i(N−i)。
単純ランダムウォークは、各ステップで+1を確率p、-1を確率qで動く確率過程です。0とN(吸収壁)を設定し、どちらかに到達したら停止するという設定が「ギャンブラーの破産問題」として知られています。
公正な場合(p=q=1/2)、現在の位置iから出発してNに先に到達する確率は i/N となります。これは直感的にも納得しやすく、出発点が目標Nに近いほど先にNに到達しやすいことを意味します。
同じ公正な場合、Nか0のどちらかに到達するまでの期待ステップ数は E[T]=i(N−i) となります。一方、p≠qの不公正な場合は、到達確率も期待ステップ数もp,qを使ったより複雑な式になります(等比数列の和を使って導出される)。保険分野では、保険会社の余剰資金(サープラス)が0になる(破産する)確率を評価する破産理論の基礎としてランダムウォークの考え方が使われます。試験に出る性質
基本ルール
各ステップで+1を確率p、-1を確率qで動く。
公正な場合の到達確率
P(Nに先に到達)=i/N(p=q=1/2のとき)。
公正な場合の期待ステップ数
E[T]=i(N−i)(p=q=1/2のとき)。
不公正な場合
p=q のときは到達確率・期待ステップ数の式がより複雑になる。
応用
保険の破産理論、株価のランダムモデルなどの基礎。
例で見る
N=10, 出発点i=3, 公正(p=q=1/2)のとき、Nに先に到達する確率は 3/10=0.3。期待ステップ数は E[T]=3×(10−3)=21。
つまずきポイント
- 不公正な場合(p≠q)にも公正な場合の式(i/N)をそのまま使ってしまう
- 到達確率の式i/Nを「ステップ数」の式だと誤解する(別の式E[T]=i(N-i)がステップ数)
- 出発点iと目標Nの取り方を混同する(iは0からの距離、N-iはNからの距離)
定着クイズ
N=20, 出発点i=5, 公正なランダムウォークでNに先に到達する確率は?
公正なランダムウォーク(N=10,i=4)の0かNに到達するまでの期待ステップ数は?
p≠qの不公正なランダムウォークについて正しいのは?