消費税の価格帰着
知識マップ経済(ミクロ)・用語
ひとことで言うと
消費税などの従量税を課しても、その負担が100%消費者(買い手)に転嫁されるとは限らない。需要・供給の価格弾力性の相対的な大きさによって消費者と生産者(売り手)に分配される。非弾力的な側(価格変化に鈍感な側)が多く負担する。
課税(従量税)の帰着。課税により供給曲線が上方シフトし均衡数量が減少。消費者の支払価格(Pc)が上昇し、生産者の受取価格(Pp)が下落する。税額 = Pc−Pp。死荷重として厚生損失が生じる。
数式で表すと
消費者負担割合 ≈ εS / (εS + |εD|)(εS: 供給弾力性, |εD|: 需要弾力性絶対値)
従量税(消費税)の税負担は需要・供給の価格弾力性に応じて消費者・生産者に配分。弾力性が低い側(非弾力的な側)が多く負担。死荷重(厚生損失)が課税により発生する。
試験に出る性質
課税者(供給者か需要者か)と帰着の無関係
形式的に消費者に課税しても供給者に課税しても、経済的な帰着(実質負担)は同じになる(等価性の定理)。重要なのは「誰に課税したか」ではなく「需給の弾力性の比率」。
完全競争下での死荷重の計算
死荷重 = (1/2) × 税額t × 数量減少ΔQ。税率が高いほど・弾力性が高いほど死荷重が大きい。非弾力的な財への課税は死荷重が小さく、税収確保に有利(ラムゼイ・ルール)。
補助金の帰着
補助金も課税と対称的に考えられる。供給者への補助金は供給曲線を下方シフトさせ均衡価格を下げる。補助金の便益も需給弾力性に応じて消費者・生産者に配分される。
例で見る
消費者の需要弾力性 |εD| = 1、供給弾力性 εS = 3、税額 t = 100 円/個 消費者負担割合 = 3/(3+1) = 75% 消費者は税額のうち75円分の価格上昇を負担 生産者は25円分の価格下落を負担
つまずきポイント
- 「課税の法的帰着(誰が税を納めるか)と経済的帰着(誰が実際に負担するか)は異なる」。消費者に課税しても生産者が実質負担することもある(弾力性による)。
- 「非弾力的な側が多く負担する」のが原則。例:医薬品(需要非弾力的)への課税→消費者が多く負担。希少な天然資源(供給非弾力的)への課税→生産者が多く負担。
定着クイズ
需要が非弾力的で供給が弾力的な財に消費税が課された場合、税負担の配分として正しいものはどれか。
課税による死荷重(厚生損失)が最も小さくなるのはどのような場合か。
消費税(従量税)の経済的帰着について正しい記述はどれか。
この用語を扱う問題(0)