消費者余剰・総余剰
知識マップ経済(ミクロ)・用語
ひとことで言うと
市場で取引される財は買い手にとっても売り手にとっても「得」をもたらす。買い手が「払いたかった最高金額」と実際に払った価格の差が消費者余剰、売り手が「受け取りたかった最低金額」と実際に受け取った価格の差が生産者余剰。課税や独占でこれらの余剰が失われることを死荷重という。
消費者余剰・生産者余剰・死荷重の図。均衡点(D=S の交点)で総余剰(社会的余剰)が最大化される。課税・独占等で均衡数量が低下すると死荷重(三角形の面積)が発生し社会的損失となる。
数式で表すと
消費者余剰=支払意思額−実際の支払額の合計(需要曲線より上・価格より下の面積)。総余剰=消費者余剰+生産者余剰。課税や独占により死荷重(厚生損失)が生じる。
試験に出る性質
余剰分析の応用:最高価格規制
政府が均衡価格より低い最高価格(価格上限)を設定→需要超過(品不足)。消費者余剰の一部が生産者から移転するが、全体の総余剰は死荷重分だけ減少(規制により実現しなかった取引の損失)。
余剰分析の応用:価格支持制度
均衡価格より高い最低価格(価格下限)を設定→供給超過(在庫過剰)。生産者余剰の一部が消費者から移転するが、死荷重が発生。農産物価格の最低保証(価格支持)が典型例。
コースの定理(外部性の解決)
外部性がある場合でも取引費用がゼロで財産権が明確なら、当事者間の自発的交渉によってパレート効率な結果が達成される(コースの定理)。政府規制がなくても市場で解決可能なケースがある。
例で見る
需要曲線 P = 100 − Q、供給曲線 P = 20 + Q 均衡:100 − Q = 20 + Q → Q* = 40、P* = 60 消費者余剰 = (1/2)×(100−60)×40 = 800 生産者余剰 = (1/2)×(60−20)×40 = 800 総余剰 = 1,600(最大)
つまずきポイント
- 「死荷重は消費者余剰・生産者余剰の双方から発生する」。課税では税収(政府余剰)に移転する余剰と、取引されなくなった財の余剰(死荷重)の両方が消費者・生産者余剰から失われる。税収+消費者余剰+生産者余剰<課税前の総余剰。
- 「独占でも超過利潤(生産者余剰の増加)は発生するが総余剰は減少する」。消費者余剰が独占利潤に移転する部分と、死荷重として消滅する部分に分かれる。独占自体は「不公平」だけでなく「非効率」でもある。
定着クイズ
消費者余剰の説明として正しいものはどれか。
需要曲線 P=100−Q、供給曲線 P=20+Q の均衡での消費者余剰はいくらか。
独占市場で死荷重(厚生損失)が発生する理由として正しいものはどれか。
この用語を扱う問題(0)