生命関数と脱退残存表とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass年金数理・用語・年金数理の基礎
ひとことで言うと
1,000人で入った集団が、毎年何人残るかを1枚に並べた表。年金数理に出てくる人数は、すべてこの表の lx から出てくる。
加入57歳・定年60歳のトイモデルの脱退残存表。脱退者数は毎年100人で一定だが、分母の在職者数が減るため脱退率は年齢とともに上がる。
数式で表すと
lx+1=lx−dx,qx=lxdx,tpx=lxlx+t 脱退残存表は、ある年齢 xe で加入した集団が年齢とともに減っていく様子を並べた表である。
lx =年齢 x の在職者数、dx=lx−lx+1
試験に出る性質
tpx=lx+t/lx
例で見る
<計算の前提> B1〜B7 と同じトイモデル。加入57歳・定年60歳、l57=1,000、l58=900
つまずきポイント
- qx の分母に lx+1 を使う。脱退率は「その年齢にいた人のうち何人が抜けたか」なので、分母は必ず年始の人数 lx
定着クイズ
Q1l57=1,000、l58=900、l59=800、l60=700 の脱退残存表がある。3p57 の値として正しいものはどれか。
Q2ある脱退残存表では、脱退者数 dx が毎年おなじ 100 人で一定である。このとき脱退率 qx の動きとして正しいものはどれか。
Q3年金数理の脱退残存表における lx の減り方の説明として正しいものはどれか。
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年金制度の被保険者が死亡・退職などで減っていく様子を表す残存表。生存数 lx、脱退数 dx、脱退率 qx で構成し、年金数理では「脱退残存表」と呼ぶ。
=1年間の脱退者数
qx=lxdx =脱退率、px=1−qx =残存率、tpx=lxlx+t
生保数理の lx は死亡だけで減るが、年金数理の lx は死亡・退職・障害などすべての脱退で減る。だから「生命表」ではなく「脱退残存表」と呼ぶ。脱退の原因を分けて扱うときは多重脱退残存表(`NEN017`)になる。
年金数理に出てくる量は l の比しか使わない。基数 Dx=vxlx も年金現価 Nx/Dx も、l を定数倍すると分子と分母で打ち消し合う。lxe を 1 と置いても 100,000 と置いても答えは同じである。
dx が毎年おなじでも分母の lx は減っていくので、qx は必ず上がる。表を読むときに「人数」と「率」を混ぜないこと。逆に qx が一定なら lx は等比数列になる。
は
の定数倍に依らない
残存確率も基数の比も l のスケールで割ると消える。lxe を 1 と置く流儀と 100,000 と置く流儀が本試験に混在するが、答えは同じになる。総人数そのものを聞かれたときだけスケールが要る。
残存確率は乗法的である
s+tpx=spx⋅tpx+s。長い期間の確率を短く区切って掛け合わせてよい。検算に使えるので、表から直接読んだ値と突き合わせる習慣をつける。
年金数理の脱退は死亡だけではない
退職・障害・その他を含む全要因で lx が減る。生保数理の記号をそのまま持ち込むと「死亡率」と読んでしまうので、qx は脱退率と読む。原因別に分けるときは多重脱退残存表(`NEN017`)へ移る。
脱退者数が一定なら脱退率は単調に上がる
分子が一定で分母が減るためである。逆に脱退率が一定なら lx は等比数列になり、lx+t=lxpt と書ける。表を与えられたらどちらの型かを最初に見ると、後の計算が速くなる。
定年到達者は脱退者ではない
lxr は定年 xr に到達した人数で、在職者の和を取るときの上端は xr−1 である。上端を xr にすると lxr のぶんだけ在職者を多く数えてしまう。人数現価(`NEN016`)や在職年数の期待値(`NEN015`)で必ず効く。
、
l59=800 、
l60=700
d57=d58=d59=100(毎年おなじ100人)
q57=1,000100=0.1000,q58=900100=0.1111,q59=800100=0.1250
2p57=l57l59=1,000800=0.8,3p57=1,000700=0.7
1p57×2p58=0.9×900700=0.9×0.7778=0.7 で 3p57 と一致する。
l を10倍して l57=10,000 としても 3p57=7,000/10,000=0.7 で変わらない。
である。分母を
にすると本文の例では 0.1000 が 0.1111 になる。
l の絶対値を答えに持ち込む。比しか使わない量に人数のスケールを掛けると桁が合わなくなる。ただし総人数 L が与えられて新規加入者数を求める設問(`NEN016`)ではスケールが要るので、聞かれているのが比か実数かを先に見分ける。 在職者の和の上端を xr にする。在職しているのは xr−1 歳までで、xr 歳の人はもう定年退職している。トイモデルでは l60=700 を足すかどうかで在職者数が 2,700 と 3,400 に割れる。