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退職給付会計

知識マップ

会計公式

ひとことで言うと

従業員は今働いた分の退職金を将来もらう権利を積み上げている。この将来の支払義務(退職給付債務)から実際に積み立てた年金資産を引いた「不足分」が負債。費用は4種類(勤務費用・利息費用・過去勤務費用・数理差異)から構成される。

退職給付会計の構造。退職給付債務(現在価値)から年金資産を差し引いた純額が退職給付に係る負債。費用は勤務費用・利息費用・過去勤務費用・数理計算上の差異で構成。退職給付債務将来の退職給付の現在価値(割引率で計算)年金資産年金制度に積み立てた資産の時価=退職給付に係る負債(資産)退職給付費用の構成①勤務費用:当期の勤務による給付債務の増加②利息費用:期首の退職給付債務×割引率③過去勤務費用:制度改訂による給付水準変更(遅延認識)④数理計算上の差異:見積差異(遅延認識:平均残存勤務期間等で按分)

退職給付会計の構造。退職給付債務(現在価値)から年金資産を差し引いた純額が貸借対照表(B/S)上の退職給付に係る負債。費用は4つの要素から成り、一部は遅延認識する。

数式で表すと

退職給付費用 = 勤務費用 + 利息費用 ± 過去勤務費用当期分 ± 数理差異当期分

退職給付債務の現在価値−年金資産=退職給付に係る負債(または引当金)。費用は勤務費用・利息費用・過去勤務費用・数理差異で構成。遅延認識(平均残存勤務期間等で按分)。

退職給付会計の基本構造: 退職給付に係る負債(または資産)== 退職給付債務 - 年金資産 ・退職給付債務:将来の退職給付額の現在価値(割引計算) ・年金資産:年金制度に拠出した資産の時価 退職給付費用の4要素: ① 勤務費用:当期1年間の就労による給付義務の増加額 ② 利息費用:期首退職給付債務 ×\times 割引率(時間の経過による債務の増加) ③ 期待運用収益:年金資産の期首残高 ×\times 期待運用収益率(費用から控除) ④ 過去勤務費用:給付水準の改定等に伴う遡及的な債務増減。発生年度に一括計上せず、平均残存勤務期間等で按分して遅延認識。 ⑤ 数理計算上の差異:実績と見積もりの乖離(割引率・死亡率等の変更)。遅延認識(コリドー法または平均残存勤務期間等で按分)。 退職給付費用 == 勤務費用 ++ 利息費用 - 期待運用収益 ±± 過去勤務費用当期分 ±± 数理差異当期分

試験に出る性質

遅延認識とは

過去勤務費用・数理計算上の差異は発生した期に全額計上せず、数期間にわたって分割して費用化する(遅延認識)。財務諸表の急激な変動を防ぐため。未認識部分はB/S上でオフバランス(注記で開示)。

割引率の影響

退職給付債務の計算に使う割引率は「安全性の高い債券の利回り」(優良社債等)。割引率が下がる(低金利)と退職給付債務が増加し、退職給付に係る負債が増える。

数理計算上の差異の例

・割引率の変更(金利環境の変化) ・死亡率・退職率の実績と見積もりの差 ・年金資産の実際運用収益と期待収益の差 これらは毎期発生するが、「遅延認識」により徐々に費用化される。

例で見る

期首退職給付債務 1,000、期首年金資産 800、割引率 2%、期待運用収益率 3% 勤務費用 = 50、利息費用 = 1,000 × 2% = 20、期待運用収益 = 800 × 3% = 24 退職給付費用(基本部分)= 50 + 20 - 24 = 46 ここに過去勤務費用・数理差異の当期認識分を加減する

つまずきポイント

  • 「期待運用収益」は費用の減算項目。年金資産が大きいほど費用が小さくなる。実際の運用収益が期待を下回った場合の差額は「数理計算上の差異」として遅延認識される。
  • 退職給付債務は「割引後の現在価値」。将来支払う金額をそのまま計上するのではなく、割引率で現在価値に割り引く。低金利ほど割引効果が弱まり債務が大きくなる。

定着クイズ

退職給付会計において「退職給付に係る負債」の計算式として正しいものはどれか。

退職給付費用の構成要素について正しいものはどれか。

割引率が低下した場合、退職給付債務はどう変化するか。

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