引当金
知識マップ会計・用語
ひとことで言うと
将来の確実ではないが合理的に見込まれる損失を、発生した期に費用として計上する仕組みが引当金。「まだ払っていない」けれど「当期の原因で将来払う可能性が高い」損失を当期に認識することで、費用収益対応の原則を守る。
数式で表すと
将来の費用・損失に備えて当期に計上する負債。計上4要件:①将来の費用・損失の発生が合理的に見込まれる②発生が当期以前の事象に起因③合理的に見積もれる④当期の費用・損失として負担すべき。
試験に出る性質
貸倒引当金の計算(個別評価と一括評価)
個別評価:債務者の財政状態を個別に評価し、回収不能見込額を計上。一括評価:残りの債権に対して過去の貸倒実績率を適用して計上。両方を合計したものが貸倒引当金残高。
引当金の4要件チェック例
【賞与引当金】①夏季賞与の支払いが見込まれる②当期の勤務に起因③過去実績から見積もれる④当期の費用として負担すべき → 4要件すべて満たすため引当金を計上。
引当金と偶発債務の違い
引当金は4要件を満たすため計上する。偶発債務(係争中の損害賠償等)は発生可能性・金額が不確実な場合は注記のみで計上しない場合がある(IFRSでは蓋然性50%超なら計上)。
例で見る
賞与引当金の計上:夏季賞与(6月支給)の支給額見込みが 600 万円、その当期(4月・5月)対応分 = 600 × 2/6 = 200 万円を期末(3月末)に計上。 仕訳:(借)賞与引当金繰入 200 / (貸)賞与引当金 200
つまずきポイント
- 「引当金は4要件すべてを満たす必要がある」。1つでも欠ければ引当金は計上できない(費用認識が翌期以降になる)。特に②「当期以前の事象に起因」は、翌期に初めて義務が生じるものは計上不可を意味する。
- 貸倒引当金は「資産の控除(評価性引当金)」であり、B/S 上では資産(売掛金)の控除として表示する。賞与引当金等は「負債(負債性引当金)」として計上。区分を混同しない。
定着クイズ
引当金の計上要件として正しい組み合わせはどれか。
貸倒引当金の B/S 上の表示として正しいものはどれか。
翌期6月に賞与を支払う予定の会社が3月末決算期に賞与引当金を計上する理由として最も適切なものはどれか。
関連:#K009
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