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クレジットリスク・Tスプレッド・CDS

知識マップ

投資理論用語

ひとことで言うと

クレジットリスクは「発行体がデフォルトする可能性」と「デフォルト時に回収できない損失」の 2 つで測る。イールドスプレッドはその市場価格。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)はデフォルトリスクを移転するデリバティブ。

スポットレートカーブ(右上がり)とフォワードレートカーブ。右上がりイールドカーブではフォワードレートはスポットレートより上に位置する。年限利回り123456789102%3%4%5%6%7%スポットレートフォワードレート

スポットレートカーブの例。実際の社債は同年限の国債に対してスプレッドを上乗せしたレートで取引される(Tスプレッド)。スプレッドが広がると社債価格は下落する。

数式で表すと

期待損失=PD×(1R)\text{期待損失} = PD \times (1-R)RR:回収率)

Tスプレッド(イールドスプレッド)=社債YTM-同年限国債YTM。期待損失 = PD×LGD(PD:デフォルト確率、LGD:デフォルト時損失率)。CDSプレミアム≈PD×LGD。

Tスプレッド(Treasury スプレッド、イールドスプレッド): Tスプレッド=社債 YTM同年限国債 YTM\text{Tスプレッド} = \text{社債 YTM} - \text{同年限国債 YTM} クレジットリスクが高い発行体ほどスプレッドが広い。スプレッドは信用状況の変化で変動する。 期待損失(Expected Loss): 期待損失=PD×LGD=PD×(1R)\text{期待損失} = PD \times LGD = PD \times (1 - R) ここで PDPD(デフォルト確率: Probability of Default)はデフォルトする確率、LGDLGD(デフォルト時損失率: Loss Given Default)はデフォルト時に失う割合、RR は回収率。 クレジット・デフォルト・スワップ(CDS): プロテクションバイヤーが定期的に CDS プレミアム(スプレッド)を支払い、発行体がデフォルトすればプロテクションセラーが損失を補填する保険型デリバティブ。無裁定近似:CDS スプレッド PD×LGD\approx PD \times LGD

試験に出る性質

Tスプレッドの限界:OAS(オプション調整後スプレッド)

コール条項付き債等のオプション価値を除いたスプレッドを OAS という。単純な Tスプレッドはオプション性を含むため同一信用リスクでも比較できない。

CDS によるリスク移転

CDS を利用するとデフォルトリスクを保有せずに社債を保有できる(プロテクション購入)。または現物なしで信用リスクを取ることもできる(プロテクション売り)。

期待損失と予想外損失(信用 VaR)

銀行の自己資本規制では期待損失は引当金、予想外損失は自己資本でカバーする考え方が基本。

例で見る

PD=2%PD = 2\%、回収率 R=40%R = 40\%LGD=60%LGD = 60\%)のとき期待損失 =2%×60%=1.2%= 2\% \times 60\% = 1.2\%。この発行体の CDS プレミアム(無裁定近似)は約 1.2%。国債 YTM が 2%、この企業の社債 YTM が 3.2% のとき Tスプレッド =1.2%= 1.2\% で整合的。

つまずきポイント

  • Tスプレッド の「T」は Treasury(国債)の頭文字。社債 YTM そのものではなく、国債 YTM との差分。「スプレッドが縮小」は信用状況改善(価格上昇)、「拡大」は悪化(価格下落)を意味する。
  • LGD=1RLGD = 1 - R(回収率)。デフォルト確率 PDPD と回収率 RR はそれぞれ独立したパラメータ。PD×RPD \times R ではなく PD×(1R)PD \times (1 - R) が期待損失。

定着クイズ

社債 YTM =4.5%= 4.5\%、同年限の国債 YTM =2.0%= 2.0\% のとき、Tスプレッドはいくらか。

PD=3%PD = 3\%(デフォルト確率)、回収率 R=60%R = 60\% のとき期待損失(損失割合)はいくらか。

CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)について正しいものはどれか。

関連:#R017#R018

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