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損保数理・公式・支払備金の評価
過去の似た事故年度たちが「1年目→2年目→3年目…」とどれくらいの倍率で保険金支払が積み上がってきたか(進展のパターン)を数える。そのパターン(進展係数)を、まだ発展途中の新しい事故年度に当てはめて、将来いくらまで膨らむかを予測する方法。
| 事故年度 | 1年目 | 2年目 | 3年目 |
|---|---|---|---|
| 2020 | 100 | 150 | 170 |
| 2021 | 120 | 180 | ? |
| 2022 | 110 | ? | ? |
(1年目→2年目)、
実績データを事故年度×経過年度(発展年度)のラン・オフ・トライアングル(三角形)に整理する。を事故年度の経過年度
LDF推定方式の指定(単純平均 vs 加重平均)
LDFの推定には「事故年度別LDFを単純平均する」方式と「の加重平均」の2方式があり、問題文で毎回どちらを使うか指定される(2025年度問題2(2)アは加重平均LDFを明示)。方式を勝手に決めず、問題文の指示に従う必要がある。
事故年度2020〜2022の累計支払保険金(簡略化した例):
| 事故年度 | 1年目 | 2年目 | 3年目 |
|---|---|---|---|
| 2020 | 100 | 150 | 170 |
| 2021 | 120 | 180 | ― |
| 2022 | 110 | ― | ― |
1年目→2年目のLDF:
事故年度2022〜2024の累計支払保険金は次のとおり(単位省略)。2022:1年目300・2年目450。2023:1年目340・2年目510。2024:1年目320(2年目は未発生)。チェインラダー法(LDFは加重平均 で計算)による2024事故年度の最終累計発生保険金の予測値に最も近いものはどれか。
チェインラダー法で求めた事故年度Xの最終累計発生保険金の予測値が800、累計支払保険金(最新時点)が650であるとき、事故年度Xの支払備金に最も近いものはどれか。
3事故年度(2022,2023,2024)の3年分の累計支払保険金トライアングルデータがあるとき、2年目→3年目のロスディベロップメントファクターの計算に使えるのはどの事故年度のデータか。
支払備金(IBNR等の未払保険金)を見積もる代表的手法。事故年度×発展年度の累計支払保険金の三角形(ラン・オフ・トライアングル)から発展年度ごとの進展係数(LDF:ロスディベロップメント・ファクター)を推定し、既知の累計支払額に順次掛けて最終累計発生保険金を予測、そこから既払額を差し引いて支払備金とする。
(事故年度別LDFを単純平均する方式もあり、問題文の指示に従う)で推定する。このを最新の累計額に順次掛け合わせ、
で最終累計発生保険金を予測する。支払備金は(普通支払備金+IBNR備金)。チェインラダー法は「進展係数さえ求まれば、あとは掛け算を繰り返すだけ」というシンプルな構造だが、多段階計算になるため各ステップの丸め処理を問題文の指示どおり正確に行う必要がある。
インフレ調整(修正LDF)
物価上昇率を考慮する場合、通常のLDFではなくインフレ率で調整した「修正ロスディベロップメントファクター」を使う(2020年度問題2Ⅱ(2):物価換算後3,076、2022年度問題1(4)ア:修正LDF1.413、2024年度問題1(2):インフレ補正後の支払備金1,875)。インフレ調整の有無で最終予測値が変わるため、問題文に「インフレ率を考慮する」旨があるかを必ず確認する。
支払備金=最終累計発生保険金の予測値-累計支払保険金
チェインラダー法自体が求めるのはあくまで「最終累計発生保険金の予測値」であり、支払備金はそこから既払(最新の累計支払保険金)を差し引いて求める(2017年度問題2Ⅲ(1):最終累計20,205、2019年度問題2Ⅱ(1):最終発生合計-累計支払=1,198)。この引き算を忘れて最終累計発生保険金の値をそのまま支払備金として答えるミスに注意。
ボーンヒュッター・ファーガソン法との対比
チェインラダー法はBF法(ボーンヒュッターファーガソン法)の計算過程でも使われる(BF法の信頼係数・保険金出現割合はチェインラダー法で推定したLDFから導出する)。ただしチェインラダー法単体では既経過保険料や予定損害率は使わず、実績の三角形データだけから予測する点がBF法と異なる。同一問題内で両手法を並べて計算させ結果を比較させる出題が多い(2018年度問題2Ⅴ(1)(2)、2023年度問題1(2))。
2年目→3年目のLDF:
2021事故年度の最終累計発生保険金の予測値:、支払備金=
2022事故年度の最終累計発生保険金の予測値:、支払備金=