投資理論・公式
ひとことで言うと
フォワードレートは「t 年から t+1 年の 1 年間」に適用される将来の短期利回りで、スポットレートカーブから計算できる。純粋期待仮説では、これが現時点での将来スポットレートの期待値に等しい。
スポットレート(緑)とフォワードレート(赤破線)。右上がりイールドカーブでは、フォワードレートはスポットレートよりも常に高い。「将来の短期金利上昇が織り込まれている」と解釈する。
数式で表すと
(1+zt+1)t+1=(1+zt)t⋅(1+f(t,t+1))
t年からt+1年の1年先渡し利回り f(t,t+1)。(1+z_{t+1})^{t+1}=(1+z_t)^t(1+f(t,t+1)) から導出。純粋期待仮説ではフォワード率=将来スポット率の期待値。
t 年スポットレート zt と (t+1) 年スポットレート zt+1 から、t 年後の 1 年先渡し利回り f(t,t+1)(以下フォワードレート)は
(1+zt+1)t+1=(1+zt)t⋅(1+f(t,t+1))
より
f(t,t+1)=(1+zt)t(1+zt+1)t+1−1
これは「t 年据え置いた後に 1 年運用する利回り」で、スポットレートカーブさえわかれば一意に計算できる。
純粋期待仮説:フォワードレート = 将来スポットレートの期待値(リスクプレミアムがゼロ)。流動性選好仮説:長期保有にはリスクプレミアムが乗るため、フォワードレート > 期待将来スポット。試験に出る性質
右上がりイールドカーブ ⟹ フォワードレート > スポットレート
スポットレートが右上がりのとき、フォワードレートはスポットレートよりも常に高い(マーケットで「将来は短期金利が上昇する」と折り込まれている状態)。
フォワードレートによる投資の等価条件
「2 年運用」と「1 年運用 + フォワードレートで 1 年延長」の利回りが等しい:(1+z2)2=(1+z1)(1+f(1,2))。裁定がなければ必ずこの関係が成立。
フォワードレートは将来の「条件付き利回り」
現在時点で約定する将来の短期利回り。今すぐ実行できる先渡し(フォワード)取引のレートでもある。
例で見る
z1=2%、z2=3% のとき、f(1,2)=(1.032/1.02)−1=1.0609/1.02−1≈4.01%。「1 年後の 1 年スポットレートが 4.01% になる」と市場が期待している(純粋期待仮説のもと)。
つまずきポイント
- (1+zt+1)t+1=(1+zt)t⋅(1+f) の t+1 乗・t 乗を逆にしない。左辺が長期(t+1 年)、右辺が短期(t 年)× フォワード。
- フォワードレートは「実際に実現する将来の短期利回り」ではない。純粋期待仮説が成立しない限り、両者は一致しない(流動性プレミアムが存在するため)。
定着クイズ
z1=2%、z2=4% のとき、1 年後から 2 年後の 1 年間のフォワードレート f(1,2) はいくらか(小数第 2 位まで)。
右上がりのイールドカーブのとき、フォワードレートとスポットレートの関係について正しいものはどれか。
純粋期待仮説のもとで右上がりのイールドカーブが意味することはどれか。