投資理論・公式
ひとことで言うと
市場全体が 1% 動いたとき、その資産が何% 動くかを表す感応度。β=1.5 なら市場が 1% 上がると平均的に 1.5% 上がる傾向がある。
特性線:横軸は市場収益率、縦軸は個別資産収益率の散布図。回帰直線の傾きがβ。β=1.4 の例では市場が 1% 動くと資産は約 1.4% 動く。
数式で表すと
βi=σM2Cov(Ri,RM)
個別証券の市場ポートフォリオへの感応度。β = Cov(Rᵢ, R_M)/σ²_M。市場PF自身のβ=1、安全資産β=0。
β は個別資産 i と市場ポートフォリオ M の関係を表す係数で
βi=σM2Cov(Ri,RM)
で定義される。これは市場収益率を説明変数、個別資産収益率を被説明変数とした単回帰式の傾きに等しい(特性線の傾き)。
β>1 の資産は市場の動きを増幅する(ハイリスク・ハイリターン)、0<β<1 の資産は市場より小さく動く(ローリスク)、β<0 の資産は市場と逆方向に動く(ヘッジ機能あり)。試験に出る性質
市場ポートフォリオ自身の β は 1
市場ポートフォリオ M の Cov(RM,RM)=σM2 なので、βM=σM2/σM2=1。
β と相関係数の関係
βi=ρiM⋅(σi/σM)。相関係数 ρiM と標準偏差の比の積。β と相関係数は異なる概念。
β はリスク管理・ポートフォリオ構築に使う
株式ポートフォリオの β を下げたいときは β の低い銘柄を追加するか、株価指数先物を売り建てる(β ヘッジ)。
例で見る
Cov(Ri,RM)=0.0180、σM=10%(σM2=0.01)のとき、βi=0.0180/0.01=1.8。また σi=20%、ρiM=0.9 でも同じ値:βi=0.9×(0.20/0.10)=1.8。
つまずきポイント
- β は相関係数ではない。β=ρ⋅(σi/σM) の関係があり、β=1 でも相関係数は 1 ではない(σi=σM のときのみ等しい)。
- β は「将来の感応度」ではなく「過去データから推定した感応度」。市場環境の変化とともに変動しうる。
定着クイズ
Cov(Ri,RM)=0.030、市場ポートフォリオの分散 σM2=0.020 のとき、ベータ係数 βi はいくらか。
相関係数 ρiM=0.8、個別資産の標準偏差 σi=25%、市場の標準偏差 σM=20% のとき、βi はいくらか。
ベータ係数について正しい記述はどれか。