保証期間付終身年金とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass年金数理・公式・年金数理の基礎
ひとことで言うと
「早く亡くなっても m 年ぶんは必ず払う」終身年金。m 年の確定年金と、m 年後から始まる据置終身年金を足すだけ。支払う期間が重ならないので、足し算がそのまま成り立つ。
保証期間2年付き終身年金の現価を、確定年金部分(青)と据置終身年金部分(橙)に分けたもの。2つの期間は重ならないので単純に足せる。保証なしの終身年金 2.932 との差 0.098 が保証で増えたぶん。
数式で表すと
a¨m+m∣a¨x=a¨m+DxNx+m 保証期間 m 年付きの期始払終身年金の現価は、確定部分と据置部分の和である。
a¨m+m∣a¨x=a¨m+DxNx+m
試験に出る性質
確定部分と据置部分は期間が重ならないので単純に足せる
最初の m 年は生死によらず払い、m 年より後は生きていれば払う。同じ年を2回数える箇所が1つも無いので、a¨m+Nx+m/Dx
例で見る
<計算の前提> 受給者用の相棒モデル(B8 で新設・`NEN003`/`NEN006` と同じ表)。予定利率2.0パーセント。
l60=1,000、l61=900
つまずきポイント
- a¨m+a¨x
定着クイズ
Q1保証期間 m 年付きの期始払終身年金の現価を表す式として正しいものはどれか。
Q2l60=1,000、l61=900、l62=700、l63=400、l64=0、予定利率 2.0 パーセントのとき、60歳から支給する保証期間2年付き期始払終身年金(年額1)の現価に最も近いものはどれか。
Q3保証期間 m を長くしていったときの、保証期間付終身年金の現価の動きとして正しいものはどれか。
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死亡しても一定期間は必ず支払う保証期間を付けた終身年金。保証期間の確定年金部分と、保証期間経過後の据置終身年金部分の和で表す。
最初の m 年は生死に関係なく必ず払うので確定年金 a¨m。m 年より後は「m 年後に生きていれば払う」ので据置終身年金 m∣a¨x=Nx+m/Dx。2つの期間は1年も重ならないので、そのまま足せる。
(a¨m+m∣a¨x)−a¨x=a¨m−a¨x:m
右辺は「m 年以内に亡くなった人にも払い続けるぶん」で必ず 0 以上。保証期間は給付を足す仕組みなので、現価が減ることはない。
m=0 なら終身年金そのもの。m を伸ばすと単調に増え、生存者が尽きる年齢まで伸ばすと m 年確定年金に一致する。つまり保証期間付は終身年金と確定年金の間に必ず入る。
死亡時に保証残存期間ぶんを一時金で払う設計にすると、その一時金は残存期間の確定年金現価そのものである。年金で払うか一時金で払うかは、同じ現価の払い方を変えているだけになる。
がそのまま現価になる。
保証を付けると現価は必ず増え、増分は a¨m−a¨x:m
増分は「m 年以内に亡くなった人にも払い続けるぶん」なので必ず 0 以上。数値例では 1.980392−1.882353=0.098039 で、直接の差 3.030139−2.932100 と一致する。
m について単調増加で、上限は m 年確定年金
m=0 は終身年金、m を生存者が尽きる年齢まで伸ばすと確定年金に一致する。つまり保証期間付は常に終身年金と確定年金の間に入る。本試験が m=5,10,15 の刻みで聞くのはこの単調性を前提にしている。
据置部分の分母は Dx であって Dx+m ではない
m∣a¨x=Nx+m/Dx を Nx+m/Dx+m と書くと a¨x+m になり、m 年ぶんの割引と生存確率が両方抜ける。分子と分母の評価時点をそろえるのではなく、分母は必ず評価時点 $x$ と覚える。
死亡時の保証残存一時金は残存期間の確定年金現価そのもの
保証期間中に亡くなった受給者へ残りを一時金で払う設計は、年金で払う場合と現価が一致する。どちらで払うかは給付現価を変えないので、財政計算では同じ数字を使ってよい。
、
l62=700 、
l63=400 、
D60=1,000.000000、D61=882.352941、D62=672.818147、D63=376.928934
a¨2=1+v=1+0.980392=1.980392
N62=D62+D63=672.818147+376.928934=1,049.747081
2∣a¨60=D60N62=1,0001,049.747081=1.049747
1.980392+1.049747=3.030139
保証なしの終身年金は a¨60=2.932100 なので増分は 3.030139−2.932100=0.098039。
一方 a¨2−a¨60:2=1.980392−1.882353=0.098039 ⇒ 一致する。
m=1 で 2.932100、m=2 で 3.030139、m=3 で 3.318490、m=4 で 3.883883。
m=4 は l64=0 なので据置部分が消え、4年確定年金そのものになっている。
と足してしまう。数値例では 3.030139 のところが 4.912492 になる。後半は据置にしないと最初の
年を二重に数える。
据置部分を Nx+m/Dx+m と書く。それは a¨x+m で「いま x+m 歳の人の年金」であり、x 歳から見た m 年ぶんの割引と生存確率が抜けているため必ず大きく出る。 「保証を付けると受け取れる期間が決まるので安くなる」と考える。保証は給付を足す仕組みなので現価は必ず増える。減る方向の答えを選んだ時点で誤りと分かる。