有期年金・据置年金とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass年金数理・公式・年金数理の基礎
ひとことで言うと
N の引き算が「いつからいつまで払うか」を切り出す。有期は Nx−Nx+n、据置は Nx+m。分母はどちらも評価時点の Dx で動かさない。
基数 N の引き算で期間を切り出す図。有期年金と据置年金は同じ終身年金を2つに割ったもので、足すと必ず終身年金に戻る。分母はどれも評価時点の D60 で共通。
数式で表すと
a¨x:n=DxNx−Nx+n,m∣a¨x=DxNx+m 期始払の有期年金と据置年金は、どちらも基数の比で書ける。
a¨x:n=DxNx−Nx+n,m∣a¨x=DxNx+m
試験に出る性質
恒等式 a¨x=a¨x:n+n∣a¨x
例で見る
<計算の前提> 受給者用の相棒モデル(`NEN007` と同じ表)。予定利率2.0パーセント。
D60=1,000.000000、N60=2,932.100022
つまずきポイント
- 据置年金を Nx+m/Dx+m と書く。それは a¨x+m
定着クイズ
Q1期始払の有期年金 a¨x:n と据置年金 n∣a¨x の間に成り立つ関係として正しいものはどれか。
Q2m 年据置の期始払終身年金 m∣a¨x を、生存確率と割引に分解した形として正しいものはどれか。
Q3在職の脱退残存表が l57=1,000、l60=700、受給者の表による a¨60=2.932100、予定利率 2.0 パーセントのとき、57歳の在職者に「60歳から終身年金(年額1)」を約束したときの給付現価に最も近いものはどれか。
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支払期間を区切った有期年金と、一定期間後から支払を始める据置年金。定年退職から年金支給開始までの据置や、有期の退職年金の設計に使う。
Nx=Dx+Dx+1+⋯ は「x 歳以降のすべての支払」の合計なので、Nx−Nx+n は先頭 n 回ぶんだけが残る。逆に Nx+m をそのまま使えば、先頭 m 回を落とした残りになる。
a¨x=a¨x:n+n∣a¨x
「終身=有期+据置」。どちらか一方を出したら、この式で残りを検算できる。
DxNx+m=DxDx+m×Dx+mNx+m=vmmpx×a¨x+m
「m 年後まで生き残る確率」×「m 年ぶんの割引」×「その時点の終身年金」。据置の設問はこの形に開くと迷わない。
在職者は退職でも減るので在職の脱退残存表、受給者は退職では減らないので受給者の表を使う。57歳の在職者に「60歳から終身年金」を約束したときの給付現価は
D57在職D60在職×a¨60受給
の形になる。2つの表をどこで切り替えるかを最初に決めるのが要点である。
が検算になる
終身=有期+据置。数値例では 1.882353+1.049747=2.932100 で終身に戻る。片方を出したらもう片方は引き算で出るので、2回計算する必要はない。
分母は常に評価時点の Dx で、期間の指定は分子だけが担う
N の添字を動かすことで期間を切り、D は動かさない。D を動かした時点で「誰から見た現価か」が変わる。式を書いたら分母の添字が x であることだけ最初に確認する。
据置は「生存確率 × 割引 × その時点の終身年金」に開ける
m∣a¨x=vmmpxa¨x+m。数値例では 0.961169×0.7×1.560224=1.049747。設問が生存確率や割引を個別に与えてくるときは、この形に開くほうが速い。
有期の n は経過年数であり、期始払なら支払回数と一致する
期始払 n 年有期は x,x+1,…,x+n−1 の n 回払う。Nx−Nx+n の添字の差 n がそのまま回数になる。期末払 ax:n=(Nx+1−Nx+n+1)/Dx では添字が1つずれるので、どちらの払い方かを先に決める。
定年据置は在職の表と受給者の表を切り替える
在職者は退職でも減り、受給者は退職では減らない。D60在職/D57在職 で定年まで運び、そこから先は受給者の表の a¨60 を使う。Trowbridge モデルの設問では表が2つ与えられるので、切り替え点を最初に決める。
、
N62=1,049.747081
a¨60:2=D60N60−N62=1,0002,932.100022−1,049.747081=1.882353
直接に 1+v×0.9=1+0.882353=1.882353 と一致する。
2∣a¨60=D60N62=1.049747
1.882353+1.049747=2.932100=a¨60 ⇒ 一致する。
v2=0.961169、2p60=700/1,000=0.7、a¨62=N62/D62=1.560224
0.961169×0.7×1.560224=1.049747 ⇒ (2) と一致する。
在職の脱退残存表を l57=1,000、l60=700 とすると
D57在職D60在職=v3×1,000700=0.942322×0.7=0.659626
給付現価 =0.659626×2.932100=1.934088
在職の表だけで (N57−N60)/D57=2.651288 と作ると、それは57〜59歳の在職中に払う年金であって別物である。
で、
年ぶんの割引と生存確率が抜けるため必ず大きく出る。数値例では 1.049747 のところが 1.560224 になる。
定年据置で在職の脱退残存表のまま年金現価まで作る。受給者は退職では減らないので年金現価を過小に評価する。数値例では 1.934088 のところが 2.651288 という別物の量になる。有期年金の n を期末払のつもりで数える。期始払 n 年有期は Nx−Nx+n、期末払は Nx+1−Nx+n+1 で添字が1つずれる。どちらかを決めずに式を書くと (1+i) 倍のずれが残る。