終身年金の現価とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass年金数理・公式・年金数理の基礎
ひとことで言うと
生きているかぎり払い続ける年金の値段。基数を用意しておけば N を D で割るだけで出る。年金給付制度の給付現価の中核になる。
期始払終身年金の現価は、各年の残存確率に割引を掛けた棒の合計。割引を外して足したものが1プラス略算平均余命で、必ずこちらのほうが大きくなる。
数式で表すと
a¨x=DxNx,ax=DxNx+1=a¨x−1 期始払 a¨x=DxNx=t≥0∑vttpx
試験に出る性質
a¨x−ax=1 である
差はいま受け取る1回ぶんで、割引も生存確率も掛からない。v
例で見る
<計算の前提> 受給者用の相棒モデル(`NEN003` と同じ表)。予定利率2.0パーセント。
l60=1,000、l61=900
つまずきポイント
- ax=a¨x−v とする。引くのは 1 である。期始払の第0項が v00px=1
定着クイズ
Q1期始払終身年金 a¨x と期末払終身年金 ax の関係として正しいものはどれか。
Q2l60=1,000、l61=900、l62=700、l63=400、l64=0、予定利率 2.0 パーセントとする。a¨60 に最も近いものはどれか。
Q3m 年据置の期始払終身年金 m∣a¨x を基数で表したものとして正しいものはどれか。
この用語を扱う問題(0)
関連問題は現在準備中です。
受給権者が生存する限り支払う終身年金の現価。基数の比 N/D で表し、年金給付制度の給付現価の中核をなす。期始払と期末払は 1 だけ違う。
期末払 ax=DxNx+1=a¨x−1
m 年据置 m∣a¨x=DxNx+m
n 年有期 a¨x:n=DxNx−Nx+n
a¨x−ax=1 である。割引も生存確率も関係しない。いま受け取る1回ぶんの差でしかない。v を引くのではないことに注意する。
Trowbridgeモデル(`NEN026`)では定年 xr 到達者に単位年金額の終身年金を払う。x 歳の在職者から見た給付現価は
DxDxra¨xr
の形になる。ここで Dxr/Dx は在職中の脱退残存表、a¨xr は受給中の生命表から作るのがふつうで、2つの表は別物である。ひとつの表で通すと、受給中に退職脱退が起こることになってしまう。
a¨x≤1+ex(`NEN003`)。予定利率が正であるかぎり等号にはならない。
を引くのでも
を引くのでもない。基数で書くと
と
Nx+1/Dx の差が
Dx/Dx=1 であることに対応する。
据置と有期は N の取り方だけで切り替わる
据置は Nx+m/Dx、有期は (Nx−Nx+n)/Dx。据置の分母を Dx+m にすると据置期間の割引と生存が抜け落ちるので、m 年ぶん過大になる。
漸化式 a¨x=1+vpxa¨x+1 が使える
1歳ずつ戻して検算できる。表から直接足し上げた値と突き合わせると、l の読み違いをその場で捕まえられる。本文の例では両方とも 2.932100 になる。
a¨x≤1+ex で、等号は利率ゼロのときだけ
同じ残存確率の列を、割引つきで足すか割引なしで足すかの違いである。予定利率が高いほど差が開く。「年金現価はおよそ平均余命」と読み替えると、高い予定利率の設問で必ず外す。
在職中の表と受給中の表は別であることが多い
在職中は退職などの全脱退で減るが、受給中は死亡だけで減る。Trowbridgeモデルの給付現価 (Dxr/Dx)a¨xr は、前半を脱退残存表、後半を生命表で作る。ひとつの表で通すと受給中にも退職脱退が起きることになる。
、
l62=700 、
l63=400 、
a¨60=1+v×0.9+v2×0.7+v3×0.4
=1+0.882353+0.672818+0.376929=2.932100
a60=a¨60−1=1.932100
a¨61=1+v×900700+v2×900400=1+0.762527+0.427186=2.189713
1+vp60a¨61=1+0.882353×2.189713=2.932100 ⇒ (1) と一致する。
1+e60=3.0 に対して a¨60=2.9321 で、確かに小さい。
給付現価 =120×2.9321=351.85 万円。
なので、消えるのはちょうど 1 になる。本文の例では 1.932100 が正しく、1.951708 は
を引いた誤りの値である。
据置終身年金の分母を Dx+m にする。m∣a¨x は「いま x 歳の人から見た値」なので分母は Dx である。分母を Dx+m にすると据置期間ぶんの割引と生存確率が抜け、値が大きくなりすぎる。 在職の脱退残存表で受給期間まで割り引く。受給者は退職では減らないので、脱退残存表を使うと年金現価を過小に評価する。Trowbridgeモデルの設問では表が2つ与えられるので、どちらをどこで使うかを最初に決める。