基数(D・N・C・M)とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass年金数理・公式・年金数理の基礎
ひとことで言うと
「人数」と「割引」をあらかじめ掛けて表にしておく道具。これを用意しておくと、年金の現価も一時金の現価も、割り算1回で出せるようになる。
基数は「人数に割引を掛けて累計しておく」だけの道具。作ってしまえば、年金現価も脱退一時金の現価も、累計の差を今の年齢のDで割るという同じ形になる。
数式で表すと
Dx=vxlx,Nx=∑t≥0Dx+t,Sx=∑t≥0Nx+t,Cx=vx+1dx,Mx=∑t≥0Cx+t Dx=vxlx … x 歳まで残る人数を、共通の基準時点まで割り引いた量
試験に出る性質
すべての現価が「累計の差を今の年齢の D で割る」形になる
年金なら N の差、脱退一時金なら M の差である。形が同じなので、どの基数を使うかだけを見分ければよい。分母は必ず現在年齢の D で、期間の終わりの D ではない。
例で見る
<計算の前提> B1〜B7 と同じトイモデル(加入57歳・定年60歳・予定利率2.0パーセント)。
l57=1,000、l58=900
つまずきポイント
- 分母を Dx+n にする。有期年金 a¨x:n
定着クイズ
Q1n 年有期の期始払年金現価 a¨x:n を基数で表したものとして正しいものはどれか。
Q2基数 Cx の定義として正しいものはどれか。
Q3l57=1,000、l58=900、l59=800、l60=700、予定利率 2.0 パーセントとする。57歳の在職者に対し、60歳までの3年間に脱退したら期末に 1 を支払う制度の給付現価 (M57−M60)/D57 に最も近いものはどれか。
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生存数と現価率を組み合わせた計算補助量。Dx=vxlx を出発点に N,C,M を定義し、年金現価・給付現価をすべて基数の比で書けるようにする。
Nx=t≥0∑Dx+t …
の
後ろ向き
の累計
Cx=vx+1dx … x 歳から x+1 歳の間に脱退する人へ、期末に1を払う現価
Mx=t≥0∑Cx+t … C の累計
期始払終身年金 a¨x=DxNx
n 年有期の期始払 a¨x:n=DxNx−Nx+n
n 年内の脱退に一時金1 =DxMx−Mx+n
分母はつねに「いま何歳か」の $D$ である。ここを Dx+n にすると、割り引く起点がずれる。
\textbf{vx の x は何でもよい}
Dx の vx は基準時点をそろえるための係数で、比を取ると消える。基準年齢を0歳に取っても加入年齢に取っても答えは変わらない。基準を変えて答えが変わったら、比の取り方を間違えている。
脱退した人への支払いを期末に置いているからである。期初払や即時払の制度を扱うときは C の定義そのものを置き換える必要がある。
Dx=vxlx の vx は比を取ると消える。D57=1 と置いても実際の v57l57 を使っても同じ値になる。基準を変えて答えが動いたら、比の取り方のどこかで分母と分子の基準がそろっていない。 N の累計は後ろ向きである
Nx=Dx+Dx+1+⋯ で、x より若い年齢は含まない。前向きに「x 歳までの累計」と取ると、Nx−Nx+n の符号が反転する。
Dx は年齢について単調に減少する
v<1 で lx も減るので、2つの効果が同じ向きに働く。D が増える表が出てきたら、l の読み違いか v を掛け忘れている。
期末払終身年金は Nx+1/Dx で書ける
a¨x−1=ax に対応する。累計の開始を1歳ずらすだけで期始払と期末払が切り替わるので、支払時点を確認したら基数の添字だけ動かせばよい。
、
l59=800 、
l60=700 、
d57=d58=d59=100
基数の vx は比を取ると消えるので、\textbf{57歳を基準にして D57=1 と置く}。
D57D58=v×0.9=0.882353,D57D59=v2×0.8=0.768935,D57D60=v3×0.7=0.659626
D57N57−N60=1+0.882353+0.768935=2.651288
D57C57=v×0.1=0.098039,D57C58=v2×0.1=0.096117,D57C59=v3×0.1=0.094232
D57M57−M60=0.098039+0.096117+0.094232=0.288388
割引を忘れると 3×0.1=0.3 になる。差の 0.011612 が3年ぶんの割引である。
の分母は
である。
で割ると「
年後に生きていた人から見た値」になり、生存確率と割引のぶんだけ過大になる。
Cx=vxdx と指数を1つ落とす。脱退給付を期末に払う定義なので vx+1 が正しい。本文の例では 0.288388 が 0.294156 になり、有効数字3桁の選択肢でも取り違える。 N を前向きの累計と取る。Nx は x 歳以上の D の和であって、x 歳までの和ではない。差 Nx−Nx+n が負になったら向きを間違えている。