年m回払年金とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass年金数理・公式・年金数理の基礎
ひとことで言うと
年金を年 m 回に割ると、平均して 2mm−1 年ぶん遅く払うことになる。だから期始払の現価はその分だけ小さい。補正項は m にしか依らない。
年1回払と年4回払で、1年のうちどこで払うかを比べた図。分割すると平均の支払時点が 2mm−1
数式で表すと
a¨x(m)≈a¨x−2mm−1 年 m 回払(年額の合計は1)の年金現価は、年1回払からの補正で書く。
a¨x(m)≈a¨x−2mm−1,ax(m)≈ax+2mm−1
試験に出る性質
補正項 2mm−1 は m にしか依らない
年齢にも利率にも脱退率にも依らないので、m を見た瞬間に 0.25(m=2)
例で見る
<計算の前提> 受給者用の相棒モデル(`NEN007` と同じ表)。予定利率2.0パーセント。a¨60=2.932100。
(1) 年12回払(年額1)
補正項 =2×1212−1=2411=0.458333
つまずきポイント
- 年額と1回あたりを取り違える。a¨x(m) は年額1の年金の現価である。「月額1」なら12倍しなければならず、数値例では 2.473767 と 29.685 の違いになる。
- 有期年金や据置年金に素の 2mm−1
定着クイズ
Q1年12回払の期始払終身年金を年1回払から近似するとき、a¨x から差し引く補正項の値として正しいものはどれか。
Q2a¨60=2.932100 のとき、年12回払(年額の合計は1)の期始払終身年金 a¨60(12) の近似値として正しいものはどれか。
Q3a¨3=2.941561、v3=0.942322 のとき、3年確定年金を年12回払にした a¨3(12) に最も近いものはどれか。
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年ぶん後ろへずれ、その分だけ期始払の現価が小さくなる。
年 m 回に分けて支払う年金の現価。年1回払の現価に分割補正項を加えた近似式を使う。年金制度は年6回払・年12回払が実務上多く、本試験でも換算が問われる。
年1回の期始払は「年初にまとめて」払う。年 m 回に割ると、0,m1,m2,…,mm−1 年の位置に分かれるので、平均すると 2mm−1 年ぶん遅い。遅い分だけ現価は小さい。
m=2 で 0.25、m=4 で 0.375、m=6 で 0.416667、m=12 で 0.458333、m→∞ で 0.5(連続払)。
a¨x(m)−ax(m)=m1。近似式どうしで引いても 1−mm−1=m1 になり、辻褄が合う。
a¨x:n(m)≈a¨x:n−2mm−1(1−DxDx+n)
終身年金は Dx+n/Dx→0 なので括弧が 1 になり、素の補正になる。期間が短いほど括弧は小さく、素の補正を引くと大きく外れた答えになる。
d<d(m)<δ<i(m)<i。m→∞ で両側とも δ に集まる。m 分割の補正はこの並びから出てくる。
、
0.375(m=4) 、
0.416667(m=6) 、
0.458333(m=12) と書ける。暗算できる数少ない補正である。
期始払は引き、期末払は足す。差はいつも 1/m
a¨x(m)−ax(m)=1/m は近似式どうしでも成り立つ。(a¨x−2mm−1)−(ax+2mm−1)=1−mm−1=m1。向きを間違えると 2×2mm−1 ずれるので、この差で検算できる。
m→∞ の極限が連続払で、補正は 1/2
aˉx≈a¨x−21 は本項の m→∞ にほかならない(`NEN010`)。年12回払の 0.458333 が 0.5 に近いのは、月払がほとんど連続払と同じだということでもある。
有期・据置には (1−Dx+n/Dx) を掛ける
a¨x:n(m)≈a¨x:n−2mm−1(1−Dx+n/Dx)。終身は括弧が1になるので素の形に戻る。3年確定年金では括弧が 1−v3=0.057678 しかなく、補正が 0.458333 から 0.026436 まで縮む。
名目利率の並び d<d(m)<δ<i(m)<i が背景にある
i=0.02 では 0.019608<0.019786<0.019803<0.019819<0.020000。m を上げると両側から δ に寄る。確定年金の厳密式 a¨n(m)=(1−vn)/d(m) はこの並びの d(m) を使う。
a¨60(12)≈2.932100−0.458333=2.473767
1回あたりの支払は 1/12 なので、月額1の年金なら現価は12倍の 29.685 になる。
125=0.416667 ⇒ a¨60(6)≈2.932100−0.416667=2.515433
a¨3=1+0.980392+0.961169=2.941561、v3=0.942322
素で引くと 2.941561−0.458333=2.483228
尾を入れると 2.941561−0.458333×(1−0.942322)=2.941561−0.026436=2.915125
厳密値 d(12)1−v3=0.01978630.057678=2.9150
⇒ 尾を入れた近似 2.9151 との差は 0.0001 だが、素で引いた 2.483228 は 15 パーセントも外れる。有期・据置に素の補正を使ってはいけない。
を引く。3年確定年金では 2.483228 と 2.9150 で 15 パーセントも外れる。期間が短いほど尾の項
(1−Dx+n/Dx) が小さく、補正はほとんど効かない。
期末払に補正を引いてしまう。期末払は分割すると早く払うことになるので足すのが正しい。向きを逆にすると 2×2mm−1 ずれ、m=12 なら 0.916667 の食い違いになる。