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年金数理・公式・財政再計算と制度変更
給付の形や年金額、支給要件を変えたときに、責任準備金と標準保険料がどれだけ動くか。「変更前後で保険料が変わらない条件」を求める形が最も多く、U09 で配点が最大の論点。
標準保険料は加入年齢の1人の給付現価だけで決まるが、責任準備金は在職者全員の給付現価で決まる。この母集団の違いが「保険料は同じなのに責準が動く」現象を生む。
制度変更の設問はほぼすべて「変更前後で何かを一致させる条件」を求める形で出る。手順は3つしかない。
(1) 変更前の給付現価 と人数現価 を書き下ろす
(2) 変更後の給付現価 を、未知の係数(年金額・一時金の倍率・給付乗率)を含む形で書き下ろす
(3) 指定された量を等号で結び、未知数について解く
保険料を一致させる条件は給付現価を一致させる条件と同じ
保険料を一致させる条件は給付現価を一致させる条件に等しい
で、給付の中身を変えても人数現価 は動かない。したがって
<計算の前提>
・トイモデル(、
給付の中身だけを変える制度変更において、標準保険料が変わらない条件と同値なものはどれか。
歳から年金額 の終身年金()を、 の10年確定年金に変える。標準保険料が変わらない年金額に最も近いものはどれか。
中途脱退者への一時金を新設し、代わりに定年退職年金を1割減らしたところ、標準保険料は変わらなかった。責任準備金についての記述として正しいものはどれか。
関連問題は現在準備中です。
給付形態・支給要件・年金額などを変えたときに、責任準備金と標準保険料がどれだけ動くか。「変更前後で保険料が変わらない条件」を求める形が頻出。
標準保険料は で、給付の中身を変えても人数現価は動かない(在職者の頭数と保険料の払込期間は制度変更で変わらないため)。したがって
である。分母を書き下ろす必要すら無いことが多い。
保険料が一致しても責任準備金は一致しない
標準保険料を決めるのは加入年齢の1人だけだが、責任準備金は在職者全員の給付現価で決まる。給付の受取時期を前倒しする変更は、加入時点では等価でも在職中の者の責任準備金を減らす。本試験は保険料一致(2018年度問題1(7)ほか)と責任準備金一致(2022年度問題3(2)(エ))を別の設問として出す。
既裁定者に及ぶかどうかを読む
変更が年金受給権者にも及ぶなら が動き、及ばないなら動かない。責任準備金が動くかどうかはここで決まることが多い。
保険料が一致しても責任準備金は一致しない
保険料は加入年齢の1人で決まり、責任準備金は在職者全員で決まる。トイモデルでは保険料 が不変のまま責任準備金が 減る変更を作れる。2022年度問題3(2)(エ)は責任準備金を一致させる給付乗率を別に問うている。
終身年金と確定年金の交換比は年金現価率の比で出る
である。2022年度問題2(イ)は同じ考え方で一時金の倍率 を出させている。
変更が既裁定者に及ぶかどうかで が動くかが決まる
将来の定年退職者だけに適用するなら年金受給権者分は動かない。責任準備金が動くかどうかはここで決まることが多い。
10年で9年度・14行・41.0点で U09 の最大論点
2016年度問題2(3)①②・2017年度問題2(3)①②・2018年度問題1(7)・2019年度問題4(3)③・2020年度問題2(1)②・2020年度問題3(2)④・2022年度問題2(2)(イ)・2022年度問題3(2)(エ)・2023年度問題3(1)(ウ)・2024年度問題2(4)(ウ)・2024年度問題3(2)(ウ)・2025年度問題3(2)(イ)の14行・41.0点。出ていないのは2021年度だけである。
・変更は将来の定年退職者に適用し、既裁定者には及ばない
(1)終身年金を10年確定年金に変える
なので、 歳時点の給付現価を一致させる年金額 は
である。・・ がすべて不変なので標準保険料も責任準備金も動かない。ただし給付の中身は違う(10年確定年金は長生きしても増えない)。
(2)中途脱退者に一時金を新設し、定年年金を1割減らす
歳加入者から見た一時金 あたりの現価は なので、 を不変にする一時金は
である。標準保険料は のまま動かない。しかし
、
と下がるので、責任準備金は へ690.76 減る。
(3)読み方
は保険料も責準も動かず、 は保険料だけが動かない。「保険料が一致する」と「責任準備金が一致する」は別の条件である。