加入時積立方式とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass年金数理・公式・財政方式の体系
ひとことで言うと
加入したその瞬間に、その人が将来もらう給付の全額の現価を一括で払い込む方式。新規加入者だけが保険料を払い、以後は運用にまかせる。積立金は6方式で2番目に厚くなるが、いま加入した人の分はまだ入っていない。
退職時年金現価積立方式と鏡の関係にある。一括で払うのが在職期間の入口なので、積立金は在職者の分まで含んで厚くなる。
数式で表すと
加入時に laSa を一括拠出 加入した時点で将来給付の全額の現価を一括して積み立てる方式。積立金は最も厚くなり、単年度保険料は最も低くなる(完全積立方式を除く)。
加入時積立方式は、保険料の払い込み対象者を新規加入者だけに限る方式である。xe 歳で加入した人について、その時点の給付現価を全額まとめて払い込む。
InP=DxeDxra¨xr×(定年時の給付)=Sxe,InC=lxeSxe
試験に出る性質
保険料は加入時に給付現価を一括で払い込む
InC=lxeSxe
例で見る
<計算の前提>
・B1・B2 と同じトイモデル。S57=6.5963、l57=1,000
つまずきポイント
- 積立金から「加入年齢の者」を除き忘れる。差はちょうど保険料総額 InC になる。
- 積立金に v を乗じない。積立金は期初時点の額であって1年後の額ではない。
- 「加入時積立方式」と「退職時年金現価積立方式」を名前で取り違えない。積立金の厚さは正反対になる。
- 積立金が2番目に厚いからといって完全積立方式に届いているわけではない。将来加入見込者の分がまるごと欠けている。
定着クイズ
Q1定常状態の加入時積立方式における積立金の説明として正しいものはどれか。
Q2S57=6.5963、l57=1,000、B=8,536.59、d=0.0196078 とする。加入時積立方式の定常状態における積立金に最も近いものはどれか。
Q3加入時積立方式の積立金から単位積立方式の積立金を引いた差は何を表すか。
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以後その人は1円も払わない。退職時年金現価積立方式とちょうど鏡の関係で、一括で払うタイミングが在職期間の入口か出口かだけが違う。
加入時に全額を積んでしまうので、積立金は在職者の給付現価と年金受給権者の給付現価の合計になる。ただしxe 歳の者は除く。
F=Sp+Sa (xe 歳の者を除く)
いま加入した人の給付現価は、まさにこの瞬間に保険料として払い込まれるところであって、期初の積立金にはまだ入っていない。2025年度問題1(5)(ア) はこの額に v を乗じるという記述で誤りにしている。v を乗じるのは「1年後の値に割り引く」ことだが、積立金は期初時点の額なので割り引く理由がない。
加入時積立方式と単位積立方式はどちらも年金受給権者分を丸ごと含むので、差は在職者分だけになる。
F加入時−F単位=S除a−SPSa=在職者の将来期間分の給付現価
「加入時に全部積む」と「発生したぶんだけ積む」の差が、まさにまだ発生していない将来期間分である、という自然な読み方ができる。
。以後その人からの払い込みはない。退職時年金現価積立方式と鏡の関係で、一括するタイミングが在職期間の入口か出口かだけが違う。
積立金は在職者と年金受給権者の給付現価だが、加入年齢の者を除く
いま加入した人の給付現価はこの瞬間に保険料として払い込まれるところで、期初の積立金にはまだ入っていない。2025年度問題1(5)(ア)は「除く」の指定を残したまま v を乗じるという形で誤りにしている(1点)。積立金は期初時点の額なので割り引く理由がない。
単位積立方式との差は在職者の将来期間分
年金受給権者分が共通なので差は在職者分だけになり、「加入時に全部積む」と「発生したぶんだけ積む」の差=まだ発生していない将来期間分になる。H29年度問題1(3)(C)はこの差の算式を正しいものとして出題している。
一時金制度の定常状態は期初払確定年金で書ける
F=(xr−xe)a¨xr−xe∣lxr。(1−vn)/d=a¨n から出る。2022年度問題3(1)(ア)はこの形を8択で問うた(2点)。単位積立方式で期末払 a が出るのと対になっている。
・B=8,536.59、d=0.0196078
InC=1,000×6.5963=6,596.26
F=(8,536.59−6,596.26)/0.0196078=98,956.78
900×7.4758+800×8.5784=13,590.93
年金受給権者分 85,365.85 を足すと 98,956.78 で(1)と一致する。57歳の1,000人を足してしまうと過大になる——105,553.04 となり、差の 6,596.26 はちょうど保険料総額であるである。
2025年度問題1(5)(ア) は在職者分にだけv を乗じるという記述である。実際に計算すると
0.980392×13,590.93+85,365.85=98,690.29
で正しい 98,956.78 より 266.49 少ない。この 266.49 は在職者分の利息1年ぶん(d×13,590.93)で、積立金は期初時点の額なので割り引く理由がない。誤りとされる理由が数値で確認できる。
98,956.78−92,183.74=6,773.04
一方、58・59歳の在職者の将来期間分の給付現価は
900×32×7.4758+800×31×8.5784=6,773.04
(4)本試験(2022年度問題3(1)(ア))の再現
定年時に一時金 (xr−xe) を払う制度では、InC=(xr−xe)vxr−xelxr、B=(xr−xe)lxr なので
F=dB−InC=(xr−xe)d1−vxr−xelxr=(xr−xe)a¨xr−xe∣lxr
となり、公式解の(E)と一致する。ここでは期初払の確定年金が出る((1−vn)/d=a¨n)。単位積立方式で期末払 a が出たのと対になっている。