確率・公式
ひとことで言うと
「AまたはB」の事象が起きる確率は、AとBをそれぞれ数えて足すとAとBの両方を2回数えてしまいます。それを1回分引いて正確にするのが包除原理です。3事象以上になっても同じ考え方が繰り返されます。
2つの円 A,B が重なるベン図。P(A)=0.5、P(B)=0.4、P(A∩B)=0.2 のとき和集合は P(A∪B)=0.5+0.4−0.2=0.7。足して引くと交差部分の二重カウントが解消される。
数式で表すと
P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)
和事象の確率を重複を引いて求める。P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)。
包除原理とは「和事象の確率を重複なく数える」公式です。2事象では
P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)
P(A) と P(B) を足すと交差部分 A∩B を2回カウントするので1回分引きます。具体的に P(A)=0.5, P(B)=0.4, P(A∩B)=0.2 なら P(A∪B)=0.5+0.4−0.2=0.7。独立(concept: 独立性)なら P(A∩B)=P(A)P(B)=0.2 は独立から来る値と一致することも確認できます。3事象以上では
P(A∪B∪C)=P(A)+P(B)+P(C)−P(A∩B)−P(A∩C)−P(B∩C)+P(A∩B∩C)
「1項ずつ足す→2項交差を引く→3項交差を足す」という符号の交互パターンが続きます。n 事象の一般形では (−1)k+1 の符号で k 個の交差確率をすべて足し合わせます。余事象(concept: 余事象)との組み合わせでも使われ、「少なくとも1つ発生する」確率を「1から全て発生しない確率を引く」形で求めることもあります。余事象と包除を両方覚えておくと、どちらの方向から計算するかで答えやすい方を選べます。試験に出る性質
2事象
P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)。交差部分を1回引いて二重カウントを解消。
3事象
P(A∪B∪C)=∑P−∑P(∩2)+P(A∩B∩C)。足す→引く→足すの交互パターン。
一般n事象
(−1)k+1 の符号で k 個の交差確率を合算。奇数個の交差は足し、偶数個は引く。
余事象との組み合わせ
「少なくとも1つ」は 1−P(全て起きない)。包除より計算が楽なことがある。
独立時の交差確率
独立なら P(A∩B)=P(A)P(B)。包除式に代入すると P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A)P(B)。
例で見る
P(A)=0.5, P(B)=0.4, P(A∩B)=0.2 のとき
P(A∪B)=0.5+0.4−0.2=0.7。
3事象版: P(A∪B∪C)=P(A)+P(B)+P(C)−P(A∩B)−P(A∩C)−P(B∩C)+P(A∩B∩C)。
つまずきポイント
- P(A∪B)=P(A)+P(B) としてしまう(A∩B が空でない限り交差を引く必要がある)
- 3事象の符号パターンを間違える(3項交差は引かずに足す。奇数個の交差は足し、偶数個は引く)
- 余事象との使い分けを忘れる(「少なくとも1つ」は余事象 1−P(全て起きない) の方が楽な場合も多い)
定着クイズ
P(A)=0.5, P(B)=0.4, P(A∩B)=0.2 のとき P(A∪B) は?
3事象の包除で3項交差 P(A∩B∩C) は足す?引く?
「少なくとも1つ発生する」確率を求めるのに余事象を使うと?