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条件付き確率

知識マップ

確率用語

ひとことで言うと

「Bが起きたとわかった後で、その世界の中だけでAの確率を測り直したもの」です。標本空間全体ではなく、Bの中に絞り込んでAの割合を見ます。

こんなデータが従う

ある検査が陽性と分かった人の中で実際に病気である割合ある業種の契約者の中での事故発生率サイコロで偶数が出たと分かった上で6が出る確率くじを1本引いて当たりが分かった後の景品の確率年齢層で絞った場合の死亡率

「Bが起きたという情報」を使って確率の土台(標本空間)をBに絞り込む状況全般で使います。年齢×性別ごとの死亡率など、属性で絞った条件付きの発生率はアクチュアリー実務でも基本的な考え方です。

標本空間Ωの中に事象AとBが重なって存在し、重なり部分がA∩BΩ(全事象)ABA∩BP(A|B)はBの中だけでAの割合を測る

標本空間Ω全体のうち、事象Aと事象Bが重なって存在する。P(A|B)は、Bだけに絞った世界の中で、AがBの中でどれだけの割合を占めるかを表す。

数式で表すと

P(AB)=P(AB)P(B)P(A\mid B)=\dfrac{P(A\cap B)}{P(B)}

定義は P(AB)=P(AB)P(B) (P(B)>0)P(A\mid B)=\dfrac{P(A\cap B)}{P(B)}\ (P(B)>0)。「Bが起きたという条件のもとでのAの確率」と読みます。分母を払って書き直すと乗法定理 P(AB)=P(AB)P(B)P(A\cap B)=P(A\mid B)P(B) が得られ、「同時に起きる確率=先にBが起きる確率×その後Aが起きる確率」という、確率を逐次的に分解する基本ツールになります。 独立は、Bの情報があってもAの確率が変わらないこと、つまり P(AB)=P(A)P(A\mid B)=P(A) で定義されます。これは P(AB)=P(A)P(B)P(A\cap B)=P(A)P(B) と同値です。独立かどうかは、条件付き確率を計算して確かめるのが基本です。 条件付き確率は、全確率の公式(標本空間をいくつかの BiB_i に分割し P(A)=iP(ABi)P(Bi)P(A)=\sum_i P(A\mid B_i)P(B_i) と組み立てる)や、ベイズの定理(concept: ベイズ)の出発点でもあります。

試験に出る性質

乗法定理

P(AB)=P(AB)P(B)=P(BA)P(A)P(A\cap B)=P(A\mid B)P(B)=P(B\mid A)P(A)。同時確率を逐次分解する基本公式。

独立の定義

P(AB)=P(A)P(A\mid B)=P(A)(同値に P(AB)=P(A)P(B)P(A\cap B)=P(A)P(B))。Bの情報がAの確率に影響しない。

余事象との関係

P(AB)+P(AcB)=1P(A\mid B)+P(A^c\mid B)=1。Bに絞った世界でも全確率は1。

全確率の公式

B1,,BnB_1,\dots,B_n が標本空間を分割するとき P(A)=iP(ABi)P(Bi)P(A)=\sum_i P(A\mid B_i)P(B_i)

P(A|B)とP(B|A)は別物

一般に P(AB)P(BA)P(A\mid B)\ne P(B\mid A)。両者を結びつけるのがベイズの定理。

例で見る

1組52枚のトランプから1枚引く。「絵柄がスペードである」をA、「絵柄が黒である」をBとすると P(AB)=P(AB)P(B)=13/5226/52=12P(A\mid B)=\dfrac{P(A\cap B)}{P(B)}=\dfrac{13/52}{26/52}=\dfrac{1}{2} スペードは黒の半分なので、黒と分かった時点でスペードである確率は1/2。

つまずきポイント

  • P(A|B)とP(B|A)を同じものだと思い込む(一般に異なる。ベイズの定理で変換が必要)
  • 独立 P(AB)=P(A)P(B)P(A\cap B)=P(A)P(B) と排反 P(AB)=0P(A\cap B)=0 を混同する
  • 全確率の公式で分割 BiB_i が標本空間を漏れなく重なりなくカバーしているか確認しない

定着クイズ

P(A)=0.4, P(B)=0.5, P(AB)=0.2P(A)=0.4,\ P(B)=0.5,\ P(A\cap B)=0.2 のとき P(AB)P(A\mid B) は?

事象AとBが独立であるとき、P(AB)P(A\mid B) は?

乗法定理の正しい形は?

この用語を扱う問題(3