定額償却・元利均等償却・定率償却とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass年金数理・公式・未積立債務と特別保険料
ひとことで言うと
同じ 2,410.09 を返すのでも、毎年同じ額を払うか、給与の一定割合を払うか、残っている額の一定割合を払うかで、残高の減り方も払い終わる時期も変わる。
未償却残高の推移。定額償却は10年でちょうど 0 に着く。定率償却 20 パーセントは初年度に 482.02 と重く払うが、残高が減るほど拠出も減るので 10 年後も 315.45 が残る。
数式で表すと
定額: nU,元利均等: a¨nU,定率: Ut+1=Ut(1+i)(1−k) 定額償却
毎年度の特別保険料の額を一定にする。n 年なら A=a¨nU
試験に出る性質
定額は額が一定、元利均等は率が一定
定額償却は給与総額が動いても額が変わらない。元利均等償却は給与に対する割合を固定するので、給与総額が動けば額も動く。
給与総額が一定なら両者は一致する
2018年度 問題4(1) はこの前提を明記したうえで、③に定額償却の額、④に元利均等償却の率を置いている。
定率償却は理論上完済しない
Ut+1=Ut(1−k)(1+i)
例で見る
<計算の前提> 共通トイモデル。未積立債務 U=2,410.09、予定利率 2.0 パーセント、年1回期初払い、a¨10=9.162237
つまずきポイント
- 定率償却の拠出総額が小さいのを有利と読む。残高 315.45 が残っているだけである。
- 定率償却の漸化式で (1+i) を落とす。拠出は期初なので、残った債務に1年ぶんの利息が付く。
- 元利均等償却の率を出すときに、分母へ給与現価ではなく人数現価を置く。率は給与に対する割合である。
定着クイズ
Q1未償却残高に一定割合 k を掛けた額を期初に拠出する定率償却について、残高の推移を表す式はどれか。予定利率を i とする。
Q2未積立債務 2,410.09 を償却割合 20 パーセント・予定利率 2.0 パーセント・期初拠出の定率償却で返すとき、10年後の未償却残高はどれか。0.81610=0.130887 とする。
Q3定額償却と元利均等償却の違いの説明として正しいものはどれか。
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未積立債務の3つの償却方法。定額は毎年同額、元利均等は確定年金の年賦金、定率は残高に一定率を掛ける。同じ債務でも残高の減り方と総額が違う。
。給与総額が動いても額は変わらない。
毎年度の特別保険料率を一定にする。被保険者の給与に対する一定割合として設定するので、分母は償却期間の給与現価になる。
2018年度 問題4(1) の前提はまさにこれで、③の定額償却の額と④の元利均等償却の率は、率に給与総額を掛ければ同じ額になる。差が出るのは給与総額が動いたときだけである。
前年度末(または期初)の未償却残高に一定割合 k を掛けた額を拠出する。期初拠出なら
Ut+1=Ut(1−k)(1+i)
残高は等比数列で減るので、理論上はいつまでもゼロにならない。(1+i) を落とさないこと。拠出は期初なので、残った債務には1年ぶんの利息が付く。
2022年度 問題1(2) は 20 年の元利均等償却と定率償却で第16年度末の未償却残高が等しくなる α を問い、2019年度 問題2(2)-02 は所定年度末の残高が指定の額になる償却割合を、2019年度 問題4(3)-04 は特別保険料の年額が標準保険料を初めて下回る年度を問うている。定率償却は「何年後に」を数えさせる形で出やすい。
は等比数列なので、残高は 0 に近づくだけで到達しない。
定率償却は初年度が重く後年が軽い
k=0.2 なら初年度 482.02 で定額償却の 1.83 倍。残高が減るほど拠出も減る。
拠出総額の比較には残高をそろえる
10年時点で定率は 2,276.78 しか払っていないが 315.45 が残っている。残っているぶんを足さないと比較にならない。
。
A=9.1622372,410.09=263.05
10年で残高 0、拠出総額は 2,630.46。
給与総額 2,827 に対し
2,827×9.1622372,410.09=0.093048
初年度の額は 2,827×0.093048=263.05 で(1)と一致する。
初年度の拠出は 0.2×2,410.09=482.02 で、定額償却の 1.83 倍。
Ut+1=Ut×0.8×1.02=0.816Ut
10年後の残高は 2,410.09×0.81610=315.45、10年間の拠出総額は 2,276.78。
定率償却のほうが10年間の拠出総額は 353.68 少ないが、まだ 315.45 が残っている。残高をそろえずに総額だけを比べると、必ず定率が有利に見える。