平均余命・完全平均余命とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass生保数理・公式・生命関数・生命表・定常人口
ひとことで言うと
「x歳の人はあと何年生きるか」の期待値。生存確率のグラフの下の面積がそのまま答えになる。連続で測る完全平均余命と、整数年で数える平均余命の2つがあり、その差はおよそ半年——1年の途中で亡くなった分を数えるかどうかの違いである。
生存確率 tp_x の曲線の下の面積が完全平均余命。整数年ごとの棒の合計が離散の平均余命で、差はおよそ 1/2 年。
数式で表すと
e˚x=∫0∞tpxdt,ex=∑t=1∞tpx,e˚x≈ex+21 x歳の人の残存期間Txの期待値が平均余命である。連続的に測るものを完全平均余命といい
e˚x=E[Tx]=∫0∞tpxdt
試験に出る性質
完全平均余命は生存確率の積分そのもの
e˚x=∫0∞tpxdt
例で見る
(1) de Moivre型での連続と離散の差:ω=100、x=40 とすると tp40=6060−t
つまずきポイント
- e˚x(完全)とex(離散)を取り違えない。差は約1/2
定着クイズ
Q1ω=100 の de Moivre 型生命表(μx=100−x1)における e˚40 と e40 の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
Q2死力が μx=ω−xa(a>0)であるとき、完全平均余命 e˚x を表す式として正しいものはどれか。
Q3e˚x≈ex+21 という近似の根拠として最も適切なものはどれか。
年齢xの人の余命の期待値。連続の完全平均余命e˚xは生存確率の積分、離散の平均余命exは和で表す。両者は約1/2の差を持つ。
ex=t=1∑∞tpx
である。両者の間には、各年齢の1年間で死亡が一様に起こる(UDD・SEI011)という仮定のもとで
e˚x≈ex+21
という関係が成り立つ。∫0∞tpxdt を台形で近似したときの補正が 1/2 にあたる。
期待値の定義から e˚x=∫0∞t⋅tpxμx+tdt と書くこともできるが、部分積分して ∫0∞tpxdt にしてから計算するほうが圧倒的に速い。試験では常に後者を使う。
① 有期:e˚x:n=∫0ntpxdt
② 再帰式:e˚x=∫01tpxdt+pxe˚x+1
③ 分解:e˚x=e˚x:n+npxe˚x+n(n年までとそれ以降に分ける)
③は「n年後の平均余命との差」を問う出題でそのまま使える。
死力のモデルが与えられた場合の即答公式は次のとおり(SEI008)。
μx=ω−xa ⟹ e˚x=a+1ω−x
逆に、平均余命の関数形が与えられて死力を問われたら、SEI010の関係式 dxde˚x=μxe˚x−1 を使って死力に戻す。
。
∫0∞t⋅tpxμx+tdt と書いてから部分積分するのは遠回りで、いきなり生存確率の積分として立式する。区間ごとに死力の定義が違う場合は積分を区間で分けて足す(2025年度問題2(1)は
と
で死力の形が違う設定から平均寿命
e˚0=65 を使って定数を決めさせる7.0点の問題)。
μx=ω−xa なら e˚x=a+1ω−x
de Moivre型(a=1)なら2ω−x。この公式を知っていれば積分せずに即答できる(2019年度問題1(2)はμx=110−xa
n年で区切ると e˚x=e˚x:n+npxe˚x+n に分解できる
「現在の平均余命」と「n年後の平均余命」の関係を問う出題はこの分解で処理する(2021年度問題1(2)はtpxμx+t=aebt
平均余命の関数形が与えられたら死力に戻せる
μx=e˚x1+dxde˚x(SEI010の関係式の変形)。平均余命の式から生存確率を求めさせる出題はこの経路で解く(2023年度問題2(2)はe˚x=100e−0.01xからlog25p50を求めさせる7.0点の問題)。
なので
e˚40=∫0606060−tdt=30,e40=t=1∑596060−t=29.5
となり、差はちょうど 21 である(de Moivre型は死亡が完全に一様なのでUDDが厳密に成り立つ)。
∫01tp40dt+p40e˚41=120119+6059×259=30
(3) 有期:同じ設定で e˚40:10=∫0106060−tdt=9.166667。10年間に期待される生存年数はほぼ9.17年で、10年に満たない分が死亡による損失にあたる。
だが、問題文がどちらを聞いているかで答えが半年ずれる。
exの和はt=1から始まる(t=0の項0px=1を含めない)。含めると1年多くなる。 e˚x=∫0∞t⋅tpxμx+tdtから出発すると計算が重くなる。∫0∞tpxdtで立式する。 de Moivre型の2ω−xを、拡張型(a=1)にそのまま当てはめない。a+1ω−xである。 型で
と
e˚30 を、2022年度問題1(2)は
e˚x=3ω−x (すなわち
)という条件から
を求めさせる)。
という設定の下で、
年後の平均余命との差を空欄補充で表現させる)。