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最小分散ポートフォリオ

知識マップ

投資理論定理

ひとことで言うと

期待収益率を固定したとき、最もリスク(分散)を小さくできる資産の組み合わせ比率。2 資産の場合は解析的に求まる公式がある。

横軸σ(リスク)・縦軸期待収益率の効率的フロンティア。実線が効率的部分、破線が非効率部分。最小分散点を赤丸で示す。σE[R]4%6%8%10%12%0%5%10%最小分散点効率的フロンティア(非効率・破線)

効率的フロンティア上で最もσ(リスク)が小さい点が最小分散ポートフォリオ(赤丸)。これより下(非効率・破線)に比べ同じリスクで高いリターンが得られる。

数式で表すと

w1=σ22σ12σ12+σ222σ12w_1^* = \frac{\sigma_2^2 - \sigma_{12}}{\sigma_1^2 + \sigma_2^2 - 2\sigma_{12}}

所与の期待収益率を達成するポートフォリオのうち分散が最小のもの。2資産の場合 w₁* = (σ₂²−σ₁₂)/(σ₁²+σ₂²−2σ₁₂)。

2 資産(資産 1 と資産 2)の場合、資産 1 への投資比率を w1w_1w2=1w1w_2 = 1 - w_1)として分散 σP2=w12σ12+2w1(1w1)σ12+(1w1)2σ22\sigma^2_P = w_1^2 \sigma_1^2 + 2 w_1 (1-w_1) \sigma_{12} + (1-w_1)^2 \sigma_2^2w1w_1 で微分してゼロと置くと、最小分散を与える比率として w1=σ22σ12σ12+σ222σ12w_1^* = \frac{\sigma_2^2 - \sigma_{12}}{\sigma_1^2 + \sigma_2^2 - 2\sigma_{12}} が得られる。この点がフロンティアの「最も左の点」(最小分散点)となる。 w1w_1^* が 0〜1 の範囲に収まるとは限らず、負になる場合は空売りが必要になる。

試験に出る性質

全体のフロンティアの中で最もσが小さい点

最小分散点より期待収益率が低いポートフォリオはフロンティア上に存在するが、同じリスクでより高い収益率が取れるため「非効率」とみなされる。

$\rho = 1$ のとき最小分散点でもリスクは残る

相関係数が 1 でなければ必ず単資産保有よりリスクを下げられるが、完全正相関のときは最小分散点でも分散効果がない。

多資産の場合は数値最適化が必要

3 資産以上では行列計算(最小化問題の解)が必要になる。2 資産のみ解析解がある。

例で見る

σ1=20%\sigma_1=20\%σ2=15%\sigma_2=15\%σ12=0.018\sigma_{12}=0.018ρ0.6\rho \approx 0.6)のとき:w1=0.02250.0180.04+0.02252×0.018=0.00450.02650.170w_1^* = \frac{0.0225 - 0.018}{0.04 + 0.0225 - 2 \times 0.018} = \frac{0.0045}{0.0265} \approx 0.170。つまり資産 1 を約 17%、資産 2 を約 83% 保有するとリスクが最小になる。

つまずきポイント

  • 「最小分散ポートフォリオ」と「接点ポートフォリオ(シャープ比最大)」を混同しない。最小分散点は単純にリスクを最小化する点であり、必ずしも最も効率的な投資先ではない。
  • w1w_1^* の公式は分子・分母ともに共分散 σ12\sigma_{12} が含まれる。相関係数 ρ\rho で代入する場合は σ12=ρσ1σ2\sigma_{12} = \rho \sigma_1 \sigma_2 に変換してから代入する。

定着クイズ

σ1=20%\sigma_1=20\%, σ2=15%\sigma_2=15\%, σ12=0\sigma_{12}=0(無相関)の 2 資産における最小分散ポートフォリオの資産 1 の比率として最も近い値はどれか。

最小分散ポートフォリオについて正しい記述はどれか。

2 資産の相関係数が ρ=1\rho=1(完全正相関)の場合、最小分散ポートフォリオについて正しい記述はどれか。

関連:#R002#R004

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