永久年金・逓増永久年金とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass生保数理・公式・利息の計算・確定年金
ひとことで言うと
「毎年1を永遠に受け取る」と聞くと現価も無限に思えるが、遠い将来の1は割り引かれてほとんど価値がないので、合計は 1/i という有限の値に収まる。毎年1ずつ増え続ける場合でも 1/(id) で止まる。積立の必要額や年金原資を「利息だけで賄えるか」を測る物差しになる。
遠い将来の支払ほど割引が効くため(棒の色が薄い部分)、支払が永久に続いても現価は有限の値に収束する。
数式で表すと
a∞∣=i1,(Ia)∞∣=i1+i21=id1 支払が永久に続く年金を永久年金という。n→∞ で vn→0 となることから、確定年金の式の vn を 0 に置き換えるだけでよい。
a∞∣=i1,a¨∞∣=d1,aˉ∞∣=δ1
試験に出る性質
a∞∣=i1
例で見る
設定:i=5%。v=0.952381、d=0.047619。
(1) 定額の永久年金。a∞∣=0.051=20
つまずきポイント
- (Ia)∞∣=i1+i21
定着クイズ
Q1a¨∞∣=26 のとき、(Ia)∞∣ の値はどれか。
Q2期始払で初年度の年金額が1、以後年金額が毎年一定額 h だけ増加する永久年金の現価が、期始払で初年度の年金額が1、以後年金額が毎年一定率 3i で増加する永久年金の現価と等しいとき、h はどれか。ただし i>0 とする。
Q31年度末に1を受け取り、以後毎年前年の (1+g) 倍を永久に受け取る年金の現価はどれか。ただし 0<g<i とする。
受取が無限に続く永久年金の現価。定額の永久年金は1/i、毎期1ずつ増える逓増永久年金は1/(id)。積立・年金原資の評価に用いる。
期末払・期始払・連続払で分母が
・
・
と入れ替わる。
(SEI001)なので
a∞∣<aˉ∞∣<a¨∞∣ の順に大きい。
毎期1ずつ増える逓増永久年金(原文では「永久累加年金」とも呼ばれる)も同じ操作で出る。(Ia)n=ia¨n−nvn で nvn→0、a¨n→d1 とすると
(Ia)∞∣=id1=i1+i21,(Ia¨)∞∣=d21
となる。id1=i1+i21 は d1=i1+1(SEI001)から出る。2つの表現を両方持っておくと検算になる——片方で計算してもう片方で確かめられる。
逆向きに使うのが本番の定番である。a¨∞∣ の値だけを与えて i を割り出させ、そこから (Ia)∞∣ を求めさせる。手順は
d=a¨∞∣1 ⟹ v=1−d ⟹ i=vd
の3段で、i=a¨∞∣1 と1段で済ませてはいけない。
定率で増える永久年金は別物である。支払が 1,(1+g),(1+g)2,… と等比数列で増える場合、等比級数の和として
期末払=i−g1,期始払=i−g1+i(g<i)
となる。g≥i だと割引よりも増加が速く、現価は発散する。
この2種類(定額で h ずつ増える/定率 g で増える)が同じ現価になる条件を問う出題がある。定額増加の期始払現価は
a¨∞∣+h(Ia)∞∣=d1+idh
なので、これを i−g1+i と等しいと置いて d(1+i)=i を使うと、g=ki のとき
1+ih=k−1k ⟹ h=k−1i
という簡潔な形に落ちる。k=4(毎年 i/4 ずつ定率増加)なら h=3i である。
、
a¨∞∣=d1 、
aˉ∞∣=δ1
確定年金の式で vn→0 とするだけ。d<δ<i なので大きさは a∞∣<aˉ∞∣<a¨∞∣ の順になる。2025年度問題1(1)は a¨∞∣=51 という与件から d=1/51・i=2.00% を割り出させる形で出た。
(Ia)∞∣=i1+i21=id1、(Ia¨)∞∣=d21
2つの表現が等しいことは d1=i1+1 から出る。片方で計算して他方で検算できる。i=2%
定率 g(g<i)で増える永久年金は期末払 i−g1、期始払 i−g1+i
支払が等比数列 1,(1+g),(1+g)2,… になるので等比級数の和で求まる。g≥i では現価が発散する。毎期1ずつ増える逓増永久年金(等差)とは式の形がまったく違う。
定額 h 増加と定率 ki 増加が同じ現価になるのは h=k−1i
d1+idh=i−i/k1+i
、
a¨∞∣=0.0476191=21 。差はちょうど1で、これは時点0の支払1が期始払にだけ含まれるためである。
(2) 逓増永久年金。(Ia)∞∣=0.051+0.0521=20+400=420。もう一方の表現でも 0.05×0.0476191=420 で一致する。(Ia¨)∞∣=0.04761921=441。
(3) 定率増加。毎年 g=2% ずつ増える永久年金は、期末払 0.05−0.021=33.33、期始払 0.031.05=35.0。
(4) 与件から i を逆算する。a¨∞∣=26 と与えられたら、d=261=0.038462、v=1−d=0.961538、i=vd=0.04。したがって (Ia)∞∣=25+625=650 となる。ここで i=261=3.85% と早合点すると 702 となり、答えがまるごとずれる。
であって
だけではない。
と一致するかで検算する。
a¨∞∣ から i を出すときは d=a¨∞∣1→v=1−d→i=vd の3段。i=a¨∞∣1 とすると、a¨∞∣=51 の場合に 1.96% と 2.00% の違いになり (Ia)∞∣ が 2,652 と 2,550 に分かれる。 定率 g で増える永久年金は g<i でないと現価が発散する。g≥i の設定を見たら条件を疑う。 定率増加の永久年金は期始払 i−g1+i、期末払 i−g1 で、(1+i) 倍だけ違う。定額年金と同じく期始・期末の別を最初に確認する。 なら
50+2500=2550 、
0.02×(1/51)1=2550 で一致する。2025年度問題1(1)の正解がこの 2,550、2019年度問題1(1)(C)は「永久累加年金現価 7517.836 のときの年利」を逆算させる形である。
を
で整理すると
1+ih=k−1k になる。
の値によらず比だけで決まるのが要点。2020年度問題1(1)は
の場合で、答えは
である。