acpass

無裁定条件

知識マップ

投資理論定理

ひとことで言うと

「コストゼロで確実に正の利益を得られる取引(裁定機会)が存在しない」という条件。これが成立すれば一物一価の法則が成り立ち、合理的な価格付けができる。

数式で表すと

初期費用ゼロで確実に正の収益を得る戦略(裁定機会)が存在しないこと。無裁定 ⟺ 状態価格 ψ_s > 0(正)が存在する ⟺ 一物一価の法則が成立。

無裁定条件とは「初期費用ゼロで将来確実に非負(少なくとも 1 つの状態で正)の収益を得る戦略が存在しない」こと。 無裁定条件が成立する \Leftrightarrow 状態価格 ψs>0\psi_s > 0 が存在する \Leftrightarrow リスク中立確率 qs>0q_s > 0 が存在する、という等価関係がある(資産価格の基本定理)。 実務的には、同一のキャッシュフローを持つ 2 つの資産(または資産の組み合わせ)は同じ価格でなければならない(一物一価の法則)。価格差があれば裁定取引が発生し、すぐに価格差が埋まる。

試験に出る性質

無裁定 ⟺ 正の状態価格が存在

すべての状態で ψs>0\psi_s > 0 が成立することと、裁定機会がないことは数学的に等価。

一物一価の法則

同じキャッシュフローを生む資産(または合成ポートフォリオ)は同じ現在価格を持つ。これが無裁定から直接導かれる。

「無裁定」と「公正価格」は別

無裁定は価格の相対的整合性を保証するが、リスクプレミアムの適切さは保証しない。CAPM などで期待収益率の水準が決まる。

例で見る

株式 A が市場 X で 100 円、市場 Y で 98 円で取引されているとき、Y で 98 円で買い X で 100 円で売れば確実に 2 円の利益(取引コストゼロの場合)。これが裁定機会。裁定取引が活発になると Y の価格が上昇・X の価格が下落し、両市場で同じ価格(例:99 円)になる(一物一価の法則の回復)。

つまずきポイント

  • 「無裁定」は「リスクなし」ではない。リスクのある投資でも無裁定は成立する。無裁定は「コストゼロで確実に正の収益」が存在しないことだけを言う。
  • 現実には取引コスト・税・流動性制約があるため、理論上の裁定機会が実際には活用できないケースがある。「無裁定条件」は理想化された市場の前提。

定着クイズ

無裁定条件の説明として正しいものはどれか。

無裁定条件と等価な命題はどれか。

一物一価の法則の説明として正しいものはどれか。

関連:#R013#R014

この用語を扱う問題(0