端数期間の生存確率(一様分布・定常死力)とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass端数期間の生存確率(一様分布・定常死力)
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ひとことで言うと
生命表は整数年齢の値しか持っていない。では「半年後まで生きている確率」はどう計算するか——1年の間の死亡の起こり方を仮定して埋めるしかない。代表的な仮定は2つで、まっすぐ結ぶ(死亡の一様分布)か、指数関数で結ぶ(定常死力)か。どちらを使うかで答えは微妙に変わるので、問題文の指定を必ず読む。
整数年齢の生存者数は生命表から分かる。1年の途中を直線で結ぶのが死亡の一様分布、指数曲線で結ぶのが定常死力の仮定。
数式で表すと
UDD: sqx=sqx,定常死力: spx=(px)s (0≤s<1) 生命表は整数年齢のlxしか与えない。端数期間0≤s<1の生存確率spx
試験に出る性質
死亡の一様分布では sqx=sqx と1次式になる
lx+s=lx−sdx
例で見る
qx=0.04(したがって px=0.96)とする。
(1) 死亡の一様分布
つまずきポイント
- 「死亡の一様分布」はlx+sが直線という仮定であって、死力が一定という意味ではない。死力はsとともに増加する。
- 定常死力のspx=(px)s
定着クイズ
Q1qx=0.04 とする。1年間で死亡が一様に分布する(UDD)と仮定したときの 0.5qx に最も近いものはどれか。
Q2qx=0.04 とする。1年間の死力が一定(定常死力)と仮定したときの 0.5qx に最も近いものはどれか。
Q31年間で死亡が一様に分布する(UDD)という仮定のもとで正しいものはどれか。
整数年齢間の端数期間sにおける生存・死亡確率の補間仮定。死亡の一様分布(UDD)と定常死力(一定死力)の2仮定が代表的で、端数期間の年金・保険計算に用いる。
を求めるには、1年間の死亡の起こり方に仮定を置く必要がある。代表的な仮定は2つである。
① 死亡の一様分布(UDD):1年の間、死亡が時間的に一様に起こると仮定する。lx+sは直線になり
sqx=sqx,lx+s=lx−sdx
μx+s=1−sqxqx
で、sとともに増加する(死亡数が一定なのに分母の生存者が減るため)。据置つきの確率も s+t≤1 なら s∣tqx=tqx と、位置によらず幅だけで決まる。
② 定常死力(一定死力):1年の間、死力が一定μと仮定する。すると
spx=(px)s,μ=−logpx
である。lx+sは指数曲線になる。
どちらの仮定でもs=0,1では生命表の値に一致し、途中でわずかにずれる。qxが小さいうちは差もごく小さいが、問題文が「死亡は各年齢間で一様に分布する」等と指定していればそれに従うのが原則である。
この仮定は端数期間そのものを問う問題だけでなく、平均余命と死亡率の関係(e˚x≈ex+21)や、平均余命から死亡率を推定する問題の土台にもなっている。
。整数年齢の間を直線で結ぶ補間で、
e˚x≈ex+21 (SEI009)もこの仮定から出る。平均余命から死亡率を推定させる出題で「一様分布・線形補間」が明示的に使われる(2020年度問題3(1)(ⅱ)は
e˚60=22 ・
e˚61=21.2 から
を推定させる6.0点の大問)。
死亡の一様分布のもとで死力は s とともに増加する
μx+s=1−sqxqx。死亡者数の密度dxが一定でも、分母の生存者数が減っていくため強度は上がる。「一様分布=死力一定」と混同しやすいが、両者は別の仮定である。
定常死力のもとでは spx=(px)s と累乗になる
死力μ=−logpxが1年間一定という仮定。de Moivre型の死力を区間ごとに与える設定と組み合わせると端数期間の確率がそのまま計算できる(2025年度問題1(2)は区間で定義された死力からl30・l32
2つの仮定は端点で一致し、途中でわずかにずれる
s=0とs=1では両者とも生命表の値に一致する。qxが小さいほど差も小さいが、qx=0.04・s=0.5では0.5qxが0.0200(一様分布)と0.0202(定常死力)で第3位に差が出る。問題文の指定に従う。
0.5qx=0.5×0.04=0.02,μx+0.5=1−0.020.04=0.040816 また lx=1000 なら lx+0.5=1000−0.5×40=980、据置つきでは 0.5∣0.25qx=0.25×0.04=0.01 である。
0.5px=0.960.5=0.979796 ⇒ 0.5qx=0.020204,μ=−log0.96=0.040822
据置つきでは 0.5∣0.25qx=0.960.5−0.960.75=0.009948 である。
(3) 比較:0.5qx は 0.0200 と 0.0202、μ は 0.040816 と 0.040822 で、いずれも第3〜4位でしか違わない。それでも「最も近いものを選べ」形式では選択肢が割れることがあるため、仮定の指定は必ず確認する。
を
(掛け算)と書き間違えない。累乗である。
sqx=sqxが使えるのは0≤s≤1の1年内だけ。2.5qx=2.5qxのように年をまたいで延長しない。 据置つきs∣tqxは、一様分布ならtqx(位置によらない)だが、定常死力では位置に依存する。 を経由して端数期間の死亡確率を求めさせる)。