連生年金(年金数理)とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass年金数理・公式・年金数理の基礎
ひとことで言うと
2人の年金は「どちらか一方でも生きていれば払う」と「2人とも生きている間だけ払う」の2種類。この2つと単生の年金の間には、包除原理そのままの加法関係が成り立つ。
2人の生存期間を重なる帯として見た図。単純に足すと重なりを二重に数えるので、同時生存年金を1回引く。これが a¨xy=a¨x+a¨y−a¨xy である。
数式で表すと
a¨xy=a¨x+a¨y−a¨xy 2種類の連生年金
同時生存年金 a¨xy は「x と y がどちらも生きている間だけ」払う。最終生存者年金 a¨xy
試験に出る性質
加法関係は包除原理なので独立を仮定しなくてよい
a¨xy=a¨x+a¨y−a¨xy
例で見る
<計算の前提> 受給者用の相棒モデル(`NEN007` と同じ表)で、2人ともちょうど60歳。2人の生死は独立とする。予定利率2.0パーセント。
tp60=1.0, 0.9, 0.7, 0.4(t=0,1,2,3
つまずきポイント
- 最終生存者年金を a¨x+a¨y とする。数値例では 3.448338 のところが 5.864200 になる。2人とも生きている期間を二重に数えているので、a¨xy
定着クイズ
Q1最終生存者年金 a¨xy、同時生存年金 a¨xy、単生の年金 a¨x,a¨y の間に成り立つ関係として正しいものはどれか。
Q22人ともちょうど60歳で生死は独立、a¨60=2.932100、同時生存年金 a¨60:60=2.415862 のとき、最終生存者年金 a¨60:60 の値として正しいものはどれか。
Q3x が亡くなったあと y が生存している間だけ支払う遺族(復帰)年金の現価を表す式として正しいものはどれか。
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本人と配偶者など複数人の生死に依存する年金。遺族年金の評価に使う。同時生存年金 a¨xy、最終生存者年金 a¨xy の間に加法関係が成り立つ。
は「
どちらか一方でも
生きている間は」払う。
a¨xy=a¨x+a¨y−a¨xy
a¨x+a¨y は「2人とも生きている期間」を2回数えているので、その重複ぶんの a¨xy を引く。包除原理そのものなので、2人の生死が独立でなくても成り立つ。
tpxy=tpx⋅tpy と積に書けるのは独立のときだけである。加法関係と独立仮定は別の話なので、混ぜない。
a¨xy≤a¨x, a¨y≤a¨xy
同時生存がいちばん短く、最終生存者がいちばん長い。値を出す前にこの並びで検算できる。
x が亡くなったあと y が生きている間だけ払う年金は
a¨x∣y=a¨y−a¨xy=a¨xy−a¨x
「y の年金から、2人とも生きている期間を引く」。遺族年金の評価はここに帰着する。
は「和集合=和−共通部分」そのもの。夫婦の生死に相関があっても成り立つ。相関が効くのは
の値そのものであって、この式ではない。
独立を使うのは tpxy=tpx⋅tpy の一箇所だけ
残存確率を積に分解するときにだけ独立が要る。数値例では tp60:60=(1.0,0.81,0.49,0.16) と2乗して作った。独立でないなら連生の表そのものが与えられる。
大小関係 a¨xy≤a¨x,a¨y≤a¨xy で検算できる
同時生存がいちばん短く、最終生存者がいちばん長い。数値例では 2.415862≤2.932100≤3.448338。値を出したらまずこの並びを見るだけで、取り違えの多くは弾ける。
遺族(復帰)年金は a¨y−a¨xy
x の死後に y が生きている期間だけ払う年金で、a¨xy−a¨x とも書ける。数値例ではどちらでも 0.516238 になる。遺族年金の評価は最終的にこの引き算に帰着する。
同時生存年金の年金額は「合計で1」であって1人あたり1ではない
a¨xy は2人が生存している間に年額1を払う年金の現価である。1人あたり年額1を2人に払う設計なら2倍する。設問が「夫婦に年額1」と書いているか「各人に年額1」と書いているかを最初に確認する。
)
a¨60=1+0.980392×0.9+0.961169×0.7+0.942322×0.4=2.932100
独立なので tp60:60=(tp60)2=1.00, 0.81, 0.49, 0.16
a¨60:60=1+0.980392×0.81+0.961169×0.49+0.942322×0.16
=1+0.794118+0.470973+0.150772=2.415862
a¨60:60=2×2.932100−2.415862=3.448338
a¨60∣60=2.932100−2.415862=0.516238
大小関係 2.415862≤2.932100≤3.448338 が成り立つ。
また 3.448338−2.932100=0.516238 で (4) と一致する。
単純に足した 5.864200 は、2人とも生きている期間を二重に数えた値である。
を1回引かなければならない。
加法関係に独立を仮定していると思い込む。加法関係は包除原理なので相関があっても成り立つ。独立が要るのは tpxy を積に分解する場面だけで、この2つを混ぜると「相関があるから使えない」と誤って捨ててしまう。 同時生存年金と最終生存者年金の大小を逆に覚える。払う期間が短いのは「どちらも生きている間」のほうなので、a¨xy が最小である。値を見て単生の年金より大きければ、その時点で取り違えている。