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投資理論・用語・CAPM
だけで期待収益率が決まるという予測を実際のデータに当てると、 では説明されない超過収益が繰り返し見つかります。これがアノマリーです。同時に、検証に使う標本の作り方や探索の仕方そのものが偏りを生むので、見つかった超過収益が本物かを疑う道具立ても一緒に問われます。
一次の均衡関係を実際の収益率データで検証したときに、 では説明されない超過収益が繰り返し観測される現象と、その検証手続きに伴う偏り。企業属性や過去の収益率が将来の収益率と結び付いて残差に系統的な符号が残ること、および検証に使う標本が存続した銘柄に偏って超過収益が過大に見えることを扱う。均衡モデルそのものの導出と、 から期待収益率を求める計算は扱わない。
【代表的なアノマリー】 規模効果、いわゆる小型株効果は、時価総額の小さい銘柄の平均収益率が均衡モデルの予測を上回る現象です。1月に集中するという観察と結び付けて論じられます。 バリュー株効果は、簿価時価比率の高い銘柄、すなわち PBR や PER の低い銘柄の収益率が高いという現象です。ファーマとフレンチの3ファクターモデルは、規模とバリューをそれぞれ SMB・HML というファクターにして、市場ファクターに足したものです。 モーメンタムは、過去 か月から か月の勝ち組がその後も勝ち続ける現象です。ここは期間で向きが変わります。 か月以内の超短期と、 年から 年の長期では、逆に反転が観測されます。肢に「短期モーメンタム」という言い方が出たら、この向きの違いを疑います。
【アノマリーをどう解釈するか】 未知のリスクファクターへの対価だとみる立場と、投資家の行動から生じる誤った価格付けだとみる立場があります。前者に立てば、超過収益はリスクを負担した対価なので均衡の考え方と矛盾しません。したがって、アノマリーが観測されることが直ちにモデルの誤りを意味するとまでは言えず、記述の正誤ではこの言い過ぎが問われます。
【検証手続きに伴う偏り】 サバイバーシップ・バイアスは、存続した銘柄やファンドだけを標本に取ることで平均収益率が実際より高く見える偏りです。消えたもののほうが成績が悪いので、生き残りだけを見ると過大評価になります。 データ・スヌーピング・バイアスは、同じデータを繰り返し探索して見つけたパターンが、偶然の産物でも統計的に有意に見える偏りです。標本外の期間や別の市場で再現するかを確かめて、はじめて本物だといえます。 この2つは別物です。前者は標本の作り方の偏り、後者は探索の仕方の偏りで、対処も違います。
3年度3設問・合計4.0点で出題されている
2020年度(問題9(Ⅱ)2.0点)・2022年度(問題12(2)1.0点)・2025年度(問題12(2)1.0点)で問われている。最も重い2020年度は、リスク負担の対価・アノマリー・モーメンタム・サバイバーシップ・バイアスの4つを1設問にまとめた形だった。
出題形式は記述の正誤に固定されている
3設問とも つの記述から選ばせる形で、計算は無い。2020年度と2022年度は正しいものをすべて選ぶ形、2025年度は つ選ぶ形である。すべて選ぶ形は部分点が無いので、1つの向きの取り違えが設問全体を落とす。
同じ用語が年度をまたいで繰り返し現れる
サバイバーシップ・バイアスは2020年度と2025年度、バリュー株効果は2022年度と2025年度、モーメンタムは2020年度と2025年度に現れる。用語の数は多くないので、用語を増やすより向きを正確に押さえるほうが効く。
モデルの計算とは別レーンである
ある研究が、過去 年の株価データから、時価総額の小さい銘柄を毎年 月に買う戦略が市場を上回ると報告したとします。この結果を受け取るときに確かめることが つあります。
第1に、標本が現存する銘柄だけで作られていないかです。上場廃止になった銘柄を落としていれば、成績の悪いものが標本から抜けているので、サバイバーシップ・バイアスによって超過収益が過大に出ます。
第2に、同じデータで何通りの戦略を試したかです。多数の組み合わせを試して最も良かったものを報告しているなら、データ・スヌーピング・バイアスの疑いがあり、別の期間や別の市場で再現するかを見る必要があります。
第3に、超過収益が で説明されないとして、それが未知のリスクへの対価ではないと言えるかです。小型株が景気後退期に大きく下げるのなら、超過収益はリスクの対価であって誤った価格付けではない、という説明が立ちます。
株式収益率のモーメンタムとリバーサルについて、実証研究で観測されているものとして正しいのはどれか。
過去に上場していた銘柄のうち、現在も上場している銘柄だけを使って平均収益率を計算した。これによって生じる偏りはどれか。
CAPM の実証研究の結果と、それに対する解釈として正しいものはどれか。
【検証そのものへの批判と、実証された線の形】 ロールの批判は、真の市場ポートフォリオが観測できない以上、株価指数を代理として使った検定は、その代理指標が効率的かどうかを検定しているにすぎない、というものです。モデルが誤りだという主張ではありません。 実証結果は、推定された証券市場線の切片が安全利子率より高く、傾きが理論より緩いという向きで繰り返し得られています。安全資産での借入に制約がある場合のゼロベータ CAPM は、この形と整合します。