CB制度の給付現価と標準保険料とは|定義・公式とアクチュアリー試験の関連問題 | acpass年金数理・公式・キャッシュバランス制度
ひとことで言うと
利息付与率を予定利率にそろえた瞬間、付利と割引が打ち消し合って計算が消える。残るのは「給与の何パーセントを積んだか」だけで、標準保険料率は持分付与率にちょうど一致する。
利息付与率と予定利率が一致するときに計算が消える理由を示した図。積んだ額は退職時まで伸びてから同じ利率で戻ってくるので、元の値に帰る。残るのは在職している確率だけで、給付現価は持分付与額の現価そのものになる。
数式で表すと
利息付与率=i ⇒ S=∑tvtla+t×(持分付与額t) CB制度の給付現価は、原則としては「退職時の残高を予定利率で割り引いたもの」だが、利息付与率と予定利率が一致する場合だけ形が劇的に簡単になる。
利息付与率=i ⇒ S=∑tvtla+t×(持分付与額t)
試験に出る性質
利息付与率=予定利率なら計算が消える
付利と割引が打ち消し合い、給付現価は持分付与額の現価そのものになる。残るのは在職確率だけ。
標準保険料率は持分付与率に一致する
共通トイモデルでは 27.742215/277.422146=10.0000 パーセントで、持分付与率 10 パーセントにちょうど等しい。
例で見る
<計算の前提> NEN081 と同じCB制度。給与 100、105、110.25、持分付与率 10 パーセント、利息付与率=予定利率=2.0 パーセント。l57=1,000
つまずきポイント
- 利息付与率と予定利率が違う場合にも「給付現価=持分付与額の現価」を当てる。簡単化が使えるのは両者が一致するときだけである。
- 標準保険料率が持分付与率に一致することを、支給時点や支給形態によらず成り立つ性質だと思う。成り立つのは利息付与率と予定利率が同率のときだけ。
- 在職確率を掛け忘れて持分付与額を単純に割り引く。共通トイモデルでは 30.891 になり、正しい 27.742215 より 11 パーセント大きくなる。
定着クイズ
Q1利息付与率が予定利率と一致するキャッシュバランス制度において、持分付与額が給与の α 倍であるとき、加入年齢方式の標準保険料率(対給与)はどうなるか。ただし残高は退職時に支給されるものとする。
Q2給与 100・105・110.25、持分付与率 10 パーセント、l57=1,000・l58=900・l59=800、予定利率と利息付与率がともに 2.0 パーセントであるとき、1人あたりの給付現価はどれか。
Q3利息付与率が予定利率と異なる場合の給付現価の求め方として、正しいものはどれか。
この用語を扱う問題(0)
関連問題は現在準備中です。
キャッシュバランス制度の給付現価・給与現価と標準保険料率。利息付与率と予定利率が一致するなら、給付現価は持分付与額の現価に一致して計算が大きく簡単になる。
時点 t に積んだ持分付与額は、退職時まで (1+i) 倍で伸び、そこから v 倍で割り引かれて戻ってくる。伸びと戻りが同じ利率なら、退職がいつであっても t 時点の値に戻る。残るのは「t まで在職している確率」だけである。
持分付与額が給与の α 倍なら、上の式は「給与現価の α 倍」になる。加入年齢方式の標準保険料率は給付現価を給与現価で割った値なので、ちょうど α になる。これが本試験で最初に確かめるべき性質である。
利息付与率が予定利率と違えば、残高を作ってから割り引く手順が必要になる。2023年度 問題2(1)-01 は「利息付与額を前年期末残高の j 倍」と一般の j で置いて標準保険料率を導かせ、同 -02 で「j と予定利率をともに同率」と置き直して責任準備金の式を作らせている。この2段構えが出題の型である。
2017年度 問題3-03、2018年度 問題4(1)、2020年度 問題3(2)、2023年度 問題1(5)・問題2(1)。空欄選択と数値計算の両方の形で出る。
27.742215−10.463675×2.651288=0。P の検算に使える。
一致しない場合は残高を作ってから割り引く
利息付与率 j が予定利率と違うなら簡単化は使えない。2023年度 問題2(1) はまず一般の j で解かせてから同率に置き直させる。
支給時点の設計で式が変わる
中途脱退にも残高を支給するのか、定年時点まで付利してから払うのかで在職確率の入る位置が変わる。2020年度 問題3(1) は後者。
、
l58=900 、
l59=800 。残高は退職時(中途脱退・定年とも)に支給する。
10×1+10.5×1.021×0.9+11.025×1.04041×0.8
=10+9.264706+8.477509=27.742215
100×1+105×1.021×0.9+110.25×1.04041×0.8
=100+92.647059+84.775087=277.422146
277.42214627.742215=0.100000
給付現価は給与現価のちょうど 10 パーセントである。(1)を直接足す道と、(2)に 0.1 を掛ける道が同じ数に着いている。
人数現価は G57=1+1.020.9+1.04040.8=2.651288 なので
P=2.65128827.742215=10.463675
V57=27.742215−10.463675×2.651288=0
57歳加入者の責任準備金がちょうど 0 になる。P を1桁でも間違えると 0 にならないので、これが2本目の検算になる。
在職者 1,000+900+800 人の将来法の責任準備金を積み上げると V=26,993.21。一方、定常状態の積立金を漸化式 F=(F+C)(1+i)−B(C=28,251.92、B=29,356.82)から解くと F=26,993.21。責任準備金の側と積立金の側から独立に出して小数第2位まで一致する。