チェビシェフ
知識マップ統計・定理
ひとことで言うと
「どんな分布であっても、平均から大きく外れる確率はそれほど大きくない」と保証してくれる不等式です。分布の形が分からなくても、平均と分散さえ分かれば『外れ確率の上限』が言える、汎用性の高い道具です。
平均 から より外側(両端の塗り)に出る確率を表す。チェビシェフの不等式は、この確率が分布によらず 以下に抑えられることを保証する。
数式で表すと
任意分布で平均からのはずれを抑える不等式。必要標本数の保証に使える。
試験に出る性質
不等式
()。平均から 以上はずれる確率の上限。
分布によらない
形を一切仮定せず、平均と分散が有限ならどんな分布にも使える汎用の不等式。
上限が緩い
汎用な代わりに上限は甘い。 で上限25%(正規の実際は約4.6%)、 で上限約11%(正規は約0.3%)。
大数の法則の道具
に当てはめると 。弱法則の証明の核。
必要標本数の保証
『平均から 以内に高確率で収めるのに必要な 』を、分布によらず安全側に見積もれる。
例で見る
ある分布の平均 、標準偏差 。値が 未満または 超(=平均から 以上はずれる)になる確率は、 なので 。 分布の形に関わらず25%以下と言える(正規分布なら実際は約4.6%とずっと小さい)。
つまずきポイント
- 上限を実際の確率そのものだと思い込む(チェビシェフは“以下”を与えるだけで、実態はもっと小さいことが多い)
- はずれ幅を (標準偏差の本数)ではなく絶対値で代入する( はずれ幅 に直してから )
- で使って意味のある上限のつもりになる( なら上限は で『100%以下』という当たり前の主張にしかならない)
定着クイズ
チェビシェフの不等式の式は?
チェビシェフの不等式が使える分布は?
のときチェビシェフが与える上限と、正規分布での実際の確率の関係は?
この用語を扱う問題(2)