大数の法則
知識マップ統計・定理
ひとことで言うと
「同じ実験を何度も繰り返して平均を取ると、その平均はやがて本当の平均値(母平均)にどんどん近づいていく」という法則です。コインをたくさん投げれば表の割合が0.5に近づく、という日常の実感そのものです。
標本サイズ を増やすほど、標本平均 が母平均 (点線)に収束していく。帯はばらつきの目安で、 が増えると で狭くなる。
数式で表すと
標本平均が で母平均に収束する。チェビシェフで弱法則を示せる。
試験に出る性質
主張
独立同分布の標本平均 は母平均 に収束する(弱法則は )。
チェビシェフで証明
。分散が で潰れるのが鍵。
収束の速さ
標本平均の標準偏差は 。 を4倍にしてばらつきが半分になる程度のゆるやかな速さ。
弱法則と強法則
弱法則は確率収束、強法則はほぼ確実な収束。試験では弱法則(チェビシェフ)が主役。
CLTとの違い
LLNは『どこへ収束するか』、CLTは『収束する際の散らばりの形(正規分布)と速さ』を述べる。
例で見る
分散 の母集団から 個の標本を取ると、標本平均の分散は 、標準偏差は0.2。 をさらに増やせばこの散らばりは0へ向かい、 は母平均 に収束する。
つまずきポイント
- 「これまで表が少なかったから次は表が出やすい」と考える(ギャンブラーの誤謬。収束するのは平均であって、個々の試行の確率は変わらない)
- 大数の法則と中心極限定理を混同する(LLNは収束先、CLTは収束時の分布の形・速さ)
- 標本『平均』ではなく標本『合計』が収束すると思い込む(合計 は発散する。収束するのは平均 )
定着クイズ
大数の法則が主張するのは?
弱法則の証明で使う不等式は?
大数の法則と中心極限定理の違いとして正しいのは?
この用語を扱う問題(1)