フィッシャー情報量
知識マップ統計・用語
ひとことで言うと
尤度がパラメータθについてどれだけ「鋭く」変化するかを表す量です。情報量が大きいほど、データから得られる推定の精度(分散の逆数)が高くなります。
こんなデータが従う
MLEの漸近分散の評価推定量の効率性(クラメール・ラオの下限)の評価実験計画(どれだけ標本を集めれば十分か)の指標保険数理での死亡率推定の精度評価
推定の「限界精度」を理論的に示す指標で、MLEの漸近的な振る舞いを理解する基礎になります。
急な対数尤度曲線(情報量大、精度高い)と緩やかな曲線(情報量小、精度低い)の比較。
数式で表すと
尤度のもつ情報量。MLEの漸近分散の逆数で、推定精度の下限を与える。
試験に出る性質
定義
。
解釈
対数尤度の曲率の大きさ。曲率が大きい→精度高い。
クラメール・ラオの下限
不偏推定量の分散は を下回れない。
標本数との関係
n個の独立標本なら 。
MLEとの関係
MLEは大標本でこの下限に漸近的に到達する(漸近有効性)。
例で見る
1個あたりのフィッシャー情報量がI(θ)=4のとき、n=25個の独立標本では 、MLEの漸近分散の下限は 。
つまずきポイント
- フィッシャー情報量を尤度そのものや確率密度と混同する
- 2次微分の符号(マイナス)を付け忘れる(曲率は負になるため、情報量を正にするためマイナスを付ける)
- クラメール・ラオの下限を「必ず達成できる値」と誤解する(下限であり、大標本でMLEが漸近的に近づくにすぎない)
定着クイズ
フィッシャー情報量が大きいことは何を意味するか?
1個あたりの情報量がI(θ)=2のとき、n=50個の独立標本の情報量は?
クラメール・ラオの不等式が示すものは?
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